デトックスの言葉の定義を理解していますか?
デトックス(detox)とは、毒素を除去すること(detoxification)の略語で、体内に蓄積された有毒物質を無害なものにすることを指します。
現代社会で生活する私たちは、便利さと引き換えに有毒物質を取り込みやすい環境に身を置いています。
だから毒をためないことが大切なのです。
でも難しいことをする必要はありません。
日常の生活の中で、できるだけ毒をだすための3つのポイントをご紹介します。
Contents
デトックスの本当の意味
引き算の健康法
今までの健康法は、なるだけ体にいいものを摂取して、足りない栄養素を補おうという足し算的な発想でした。
デトックスというのは、体の中にたまっている「毒素」を除去することで健康になろうという引き算的な健康法です。
私たち人間の体は、もともと毒素を排出できるようになっています。ところが、現代社会に生きる私たちは、自分たちの解毒能力をはるかに超える量の毒素を摂取しています。
避けられない毒素の摂取環境
毒素とは、有害な重金属や化学物質のことです。
水銀・カドミウム・鉛・アルミニウム・ヒ素を5大有害重金属と言います。
中でも毒素が強いのは、水銀です。水銀が原因の公害病といえば「水俣病」が広く知られている水銀汚染問題ではないでしょうか。
水銀は、工場廃水などから海に流れ込み、雨や霧となって地球を循環しています。その過程でプランクトンに取り込まれ、小魚、中型魚と食物連鎖を重ねて、クロマグロやメカジキなどの大型魚に高濃度に蓄積されます。ほかにもキンメダイやメバチマグロなど水銀の含有量が多い魚です。
日本は世界一マグロの消費が多い国なので、それを消費する私たちの体には水銀が蓄積されていきます。
有害重金属が多量に蓄積すると、さまざまな症状が出てきます。
慢性疲労、臓器障害、皮膚炎、不眠などが挙げられます。
また有害と言われる化学物質は多く、海外では使用が禁止されている食品添加物が、日本では認可されているものもあります。
例えば着色料として食品から日用品、化粧品などに使われる赤色2、3号や黄色4、5号は石炭から作られるタール系色素で、北欧では使用が禁止されています。
またハムやイクラなどを色鮮やかに見せる発色剤として使われる亜硝酸ナトリウムは、アトピー性皮膚炎などの慢性疾患の原因のひとつと言われており、合成保存料の安息香酸やソルビン酸は皮膚炎を誘因すると言われています。
このように、私たちが日常的に食べたり、飲んだりしている多くの食品には、有害な重金属や化学物質が含まれているのです。
たとえ有機肥料を使い、無農薬で農作物を栽培したとしても、それを育てる土壌にはもともと鉛やカドミウムなどが含まれていることが多く、さらに雨や雪に含まれた有害重金属が土壌に流入する可能性もあります。
したがって、完全に無害な食べ物だけを食べようと考えても、限りなく不可能に近いのです。
そこで、体に入ってくる毒素を積極的に排出し、毒をなるべくため込まないようにしようというのがデトックスの考え方です。
セルフデトックスの3つの基本
デトックスの基本は、日常の生活の中で手軽に行えることばかりです。3つの基本をおさえましょう。
1)解毒作用の高い野菜を食べる
玉ねぎ、ネギ、ニンニク、ニラはデトックス効果の高い野菜ベスト4です。
これらの野菜を食べると、肝臓での解毒能力がアップし、体内の有毒物質を捕まえてくれます。そして捕まえた毒素を体外に排出するという解毒パワーを持っています。
ほかにもコリアンダー(香菜)やほうれん草などの緑黄色野菜もデトックス効果が高いので積極的に摂取しましょう。
2)食物繊維を摂り排便を促す
体の中にたまった毒素の75%は便から、約20%は尿から排出されます。
と言うことはいかに便秘をしないかがデトックスを成功させるうえで重要になってきます。
快便のためには、食物繊維を多く含んだ食物を積極的に摂りましょう。
食物繊維には大きく不溶性と水溶性に分かれます。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は水分を含んで膨張し、便の量を増やして腸のぜん動運動を加速させてくれ、早く便を出すためのサポートをしてくれます。
不溶性食物繊維が多く含まれる食材
玄米・ごぼう・豆類・根菜類・キノコ類・ゴマ・ココアなど
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、腸の内部で発酵し、善玉菌を増やすための栄養となるもの
不溶性食物繊維が多く含まれる食材
果物・海藻類・コンニャク
3)水を十分に飲んで汗をかく
デトックスでは汗をかくことも重要です。汗をかくためには水分補強が大切です。1日約2リットルくらいの水を飲みましょう。
水を飲むときは、一気に飲むのではなく、コップ1杯くらいの量をこまめにのむのが効果的です。
一気に飲むと、一度に水分が排出され、毒が出にくくなります。
飲む水は、お茶やコーヒーは利尿作用があり、毒が出る前に排出してしまうため、ミネラルウォーターか、浄水器を通して塩素を取り除いた水がいいでしょう。
30代以降になるとカルシウムやマグネシウムが不足しがちなので、これらをバランスよく含んた中硬水や硬水がおすすめです。
コップの大きさにもよりますが、家庭でつかう通常使いのコップはだいたい200㏄程度のが多いと思います。1日10杯程度飲むということでバランスよく摂っていきましょう。
とは言っても汗から出る毒素は、全体の排出量のわずか3%程度です。
ただしじっくり体を温めて皮脂腺を開いて汗を出すと、毒素が排出されやすくなります。また代謝が高まり血液やリンパの流れがよくなるので、腎臓での解毒機能が高まり、尿からの有害金属の排出も増えます。
ウォーキングやヨガ
激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガなど、ゆっくり体温が上がる運動がおすすめです。
入浴のしかた
体をゆっくりと温めながら汗をかきましょう。38℃程度のぬるめのお湯に15分以上浸かり体をゆっくり温めます。
腰から下だけ浸かる半身浴なら心臓に負担がかかりません。
バランスよい食事を心がける
いくら解毒効果が高くてよい食材でも、同じものばかり食べ続けるのはおすすめできません。
というのは、同じものばかり食べていると、その食材に対する抗体ができてしまい、かゆみやじんましんなどのアレルギー反応が出る場合があるからです。
また、はっきりした自覚症状がなくても、検査によってアレルギーが見つかる人もいます。
同じ食材や、同じメーカーの製品ばかり食べ続けるのではなく、バランスのいい食事を心がけましょう。
(参考文献:REAL SIMPLE No.9 日経BP社発行)
デトックス効果のある食材&レシピ
玄米ごはん
炊飯器でメッチャ簡単スグに☆美味しい玄米の炊き方 by ちいたん♪
普通の炊飯器で玄米ごはんは炊けます。米を研いだあと、分量のぬるま湯と塩を入れるのがポイント。1時間以上浸してスイッチオン。
ドリンク
炭酸水
炭酸水に含まれる炭酸ガスは腸のぜん動運動を活性化させ、便秘解消に役立ちます。
レモンウォーター
炭酸水にレモンを浮かべて飲んでもいいし、レモンウォーターもおすすめ。
ゴーヤジュース
便秘解消に役立つゴーヤジュース。バナナとブレンドすれば苦味が消え飲みやすくなります。
ルイボスティ
ルイボスティーに含まれるマグネシウムは、腸内の水分を集め、固い便を柔らかくしてくれ、排便作用があると言われています。
朝起きて飲むことで腸内の動きを活発にし、よりよい排便を促してくれ、便秘解消になります。
甘酒
「飲む点滴」と言われる甘酒。
甘酒に含まれる「植物性乳酸菌」は、胃酸や胆汁に強く生きたまま腸に達することができ、整腸作用と便通改善の効果が期待できます。
また大腸まで届いた「オリゴ糖」は、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになり、腸内で善玉菌をどんどん増やしてくれ腸内環境を整えてくれます。
あわせて食物繊維も含まれていることから便通改善にはもってこいの食品です。
デトックススープ
スザンヌが考案したデトックススープ
【材料】1週間分
- 玉ねぎ…3個
- ピーマン…1個
- セロリ…1本
- キャベツ(大)…半玉
- ホールトマト…1缶
- しょうが…1かけ(親指大)
- チキンスープの素…1個
- 鶏ささみ肉…2~3本
- 野菜、鶏ささみ肉は食べやすい大きさに切り、しょうがは薄切りにします。
- 鍋に、野菜、ホールトマト、チキンスープの素、材料がひたひたになるくらいの水を入れ、10分ほど煮込みます。味が染み込んだほうがいいなら煮込み時間を長くしましょう。
- 煮立ったら、鶏ささみ肉を入れます。最初に入れると肉がパサパサするので最後に入れます。
- 薄味なので、好みによって、塩、コショウ、チリソース、カレーパウダーなど入れ味つけてもいいです。
根菜モリモリ!デトックススープ
【材料】2人分
- レンコン…400g
- ニンジン…1本
- ごぼう…1/2本
- だしの素…小さじ1
- 味噌…大さじ1
- ごま油…小さじ1
- レンコン、ニンジン、ごぼうは小さめのひと口大に切る
- 鍋にごま油を熱して、根菜を炒める
- 水3カップ、だしの素を加えてよく煮込み、味噌を加えて一煮立ちしたらできあがり。
Note
デトックスの基本は体内から毒を出すこと。海藻類、コンニャクなどの水溶性食物繊維で善玉菌を増やし、キノコ類、根菜類などの不溶性食物繊維で腸の働きを良くして、便秘をしないように心がけましょう。ストレスを溜めないこともポイント!
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