家で食べるおそばのつゆとお蕎麦屋さんで食べるつゆの味はどうしてこうも違うのでしょう?
どうしたらお店の味を家庭で出せるのでしょうか…。
そばつゆについて考えてみました。
家族を唸らせる「そばつゆ」を作って美味しいおそばを堪能しましょう。
Contents
家で食べる「そば」が美味しくない理由
「そばつゆ」がポイント
お蕎麦屋さんで食べるそばと、家庭で食べるそばとでは全く味が違うと感じる私。
なにが違う?麺のコシ?舌ざわり?
いえいえ…
おそばの美味しさの違いは「そばつゆ」にありました。
家で食べるそばに使う市販の「そばつゆ」は、塩分が効いていて塩辛いわりには、何だが味にコクがなく、物足りない…。
どうしたらお店のような味を家庭で食べられるのでしょうか…。
お蕎麦屋さんのような口当たりがまろやかなつゆは作れるのでしょうか…???
そもそも「そばつゆ」とは?
「そばつゆ」は、「出汁(だし)」と「かえし」を別々に作り、それを合わせて作ったものです。
市販品の限界
市販のそばつゆは薄めるだけで手軽に使えて便利ですが、出汁の旨みが効いておらず、薄くて塩辛いのが難点です。
でもそれはある意味仕方がないことです。
市販品のそばつゆで、お蕎麦屋さんのような味を出すには、必要量の鰹節を入れないといけません。
しかし鰹節を入れた出汁は傷みやすく保存期間を長く設定することができません。
常温で日持ちするつゆにするには、「出汁」の量を減らし、塩分を強くしなければならないのです。
そして手間やコストの問題もあり、結果的に味に反映されてしまうわけです。
市販の「そばつゆ」が辛いのはそのためで、常温保存する市販品の限界と言えますね。
そばつゆのかえしとは?
かえしは大きく分けると、「本かえし」と「生かえし」に分かれます。
■本かえし
しょう油を加熱して、角を取り除き約1週間ほど寝かせて作ります。
■生かえし
しょう油は加熱せず、時間をかけてじっくり寝かせます。
そのため角が取り除かれるまで2~4週間以上置く必要があります。
そばつゆの作り方
Step1:かえしの作り方
家庭でできるプロの味、「かえし」を作ってみましょう。
材料
- しょう油…1リットル
- 本みりん…100~200ml
- 砂糖…160~180g
作り方
- 鍋に分量の本みりんを入れて弱火でアルコールを飛ばします。これを「煮切り」といいます。軽く舐めてみてアルコールを感じなければOKです。
- 次に砂糖を加えよく溶かします。このときも弱火で沸騰させないようにしましょう。
- しょう油を加えます。温まると灰汁(あく)が広がり、温度が大体80度前後になっています。しょう油は煮立たせないように気をつけましょう。
- 弱火にしてしばらく煮詰めます。灰汁(あく)が表面に覆われ*185度くらいになったら火を止めます。
- 灰汁(あく)をていねいに取り、自然に冷まします。
- 完全に冷めたら容器に入れ替え、*2冷暗所に2週間ほど寝かせ熟成させます。
*1温度の目安として茶色の幕が表面に出てきてその後、幕が少しずつ割れてくるところがだいたい85度です。
*2寝かせている間は空気に触れさせなければならないので密閉はせずキッチンペーパーで覆いゴムなどでとめて保存しましょう。
保存期間はどのくらい?
できあがったかえしは普通にフタをして密封し、
冷暗所に保管すれば1年程度は保存できます。
残念ながら今日お蕎麦を食べたいので、
今から「そばつゆ」を作って食べるというわけにはいきませんね。
でもその熟成期間があるがゆえプロの味に近づけるのです。
じっくり待ちましょう。
Step2:出汁の作り方
材料
- 水…1リットル
-
花かつお(鰹節)…30g
作りかた
- 鍋に水を入れ火にかけ沸騰させます。
- 沸騰したらかつお節を入れ、5分くらい中火で灰汁(あく)をとりながら煮ます。
- 火を止めかつお節が沈むのを待ち、ざるやキッチンペーパーなどこしてできあがりです。
Step3:かえしと出汁を合わせて「そばつゆ」を作る
作った「かえし」と「出汁」を合わせ再度温めて作ります。
「かえし」と「出汁」の割合を用途に合わせて配分します。
■ざるそばの場合
かえしと出汁は、1:3~4 の割合
■かけそばの場合
かえしと出汁は、1:7~10 の割合
以上を目安に家庭に合う味の割合を試してみてください。
Note
かえしは一度作ると冷暗所に保存すれば1年くらいはもちますが、
出汁は日持ちがしません。
その出汁とかえしを合わせた「そばつゆ」も当然日持ちがしなくなります。
作ったそばつゆは冷蔵庫に保存し、
1週間くらいで使い切るようにしましょう。
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