エコ掃除と言えば、『重曹』
もうすっかり定着した感があり、重曹よりももっと効果が発揮されると言われる「セスキ炭酸ソーダ」や、「酸素系漂白剤」「オキシクリーン」など市場にどんどん出てきておりますが、
もう一度、『重曹』について見直したいと思い書かせていただきました。
私が重曹と出会ったのはかれこれ15年ほど前。ちょうど家を建てたばかりのころ。
新築ということや、子どもが小さいということもあり、環境に優しいお掃除法を探っていたところに1冊の本との出会いがありました。
記憶があいまいですが、恐らく佐光紀子さんの文献に触れたのが最初だと思います。
その著書のルーツとなる本が
カレン・ローガンさんの『天使は清しき家に舞い降りる』。
その翻訳をしたのが佐光紀子さん。
子どもが小さく、なんでも口に入れたがる時期だったので、あまり薬剤を使いたくないし洗剤にもこだわっていたところに、ぴったりとはまった掃除法が『重曹』だったのです。
私はその本に触れ重曹が便利だと知り、使ってみて驚きだったので、当時の幼稚園ママ友に「凄いよ!これ!」と家でお掃除の実況までしてみせたことがあるくらい重曹にはまってしまいました。
重曹以外にも酢酸や炭酸水を使ってお掃除ができ、これがまた洗剤よりも落ちたりするからもう手放せません。
またひどい主婦湿疹を患っている私の手にとって、これらは素手で触れることができ、掃除の煩わしさも軽減され、安心して使えるものでした。
その中で15年経った今でも使い続けているレシピがあります。
今回原点に立ち返り、久しぶりに本棚に眠っていた著書をひっぱり出すと、そこには表紙が色褪せてちょっぴり年を重ねた本がありました。
ページを開いてみると、マーカーなどして作ったレシピの感想なども走り書きしており、懐かしい…。
その中でも今でも使い続けているレシピ、改めてもう一度取り入れたレシピをここで紹介します。
本の著者であるカレン・ローガンさんは、オリジナルで作った洗剤ひとつひとつに名前をつけています。それに従って紹介していきますね。
聞きなれない方は違和感を感じるかもしれませんが、使ってみてその威力を実感すると、そのネーミングが愛おしくなるから不思議…。
Contents
『天使は清しき家に舞い降りる』流掃除アイテム
用意するもの
容器類
まず揃えておきたいアイテムがあります。
このレシピで必要なのが容器類。洗剤レシピの種類に応じてさまざまな容器を使い分けています。
いづれも100均などで揃えることができるので準備してからはじめましょう。
- スプレーボトル
- スコートボトル(これは空のものはなかなか売られてないようなので、洗剤の空瓶を利用することになります)
- 霧吹き
- シェーカー
- 計量カップ、計量スプーン
- 小皿など
容器をそろえたら、必ずラベルを貼るようにしましょう。
特に小さなお子さんがいる家ではラベルを貼ることで何の洗剤かわかり、口に入れて欲しくないものは高い位置に保管するなど対応ができます。
重曹
もうすっかり定着した感のある「重曹」は、炭酸水素ナトリウムのことで、重炭酸曹達(ソーダ)とも言います。
炭酸水素ナトリウムは、実は私たち人間の体の中の血液や唾液の中にも含まれている物質です。
体に優しいというのはこんな理由からでしょうか?
ベーキングパウダーとしてや、胃薬としても使われているので安全です。ただし目に入ると刺激があるので注意しましょう。
酢酸
酢酸とは、
酢酸は、酢に含まれる酸味の成分です。体内に入るとクエン酸として働きます。
日本で売っている日本薬局の酢酸は500mlで売られています。
水虫の治療薬として使用されており、ツンとしたきつい臭いがします。このままでは濃度が30%と濃いので6倍に薄めて使います。
市販のお酢でも代用可能です。
個人的には日本の酢は酢特有のツンとする臭いが鼻につき、掃除アイテムとしては使いにくい印象がありました。
そこでトウモロコシを原料としたハインツのホワイトビネガーを使ってみました。
臭いはそこまできつくないのでまぁまぁ使えましたが、やはりお酢ということには変わりないのでツンとした臭いをまったく消すことはできません。
著者であるカレン・ローガンさんもお酢の臭いが苦手だったようで、いろいろ研究された結果、エッセンシャルオイルを組み合わせる「香りつき酢酸」をレシピに加えています。
これに関しては後ほどレシピをご紹介します。
また当時はクエン酸があまり出回っていませんでしたが、最近ではスーパーでも手軽に購入することができるようになったので、私は臭いのきつくないクエン酸で代用しています。
液体石鹸
ここで用意する液体石鹸とは、植物油(ココヤシやユーカリなど)でできた石鹸で、石油からできた合成洗剤とは異なります。
本物の液体石鹸は、再生できる素敵な資源です。石油製品のように環境を汚染しません。
購入するときは、合成洗剤ではなく台所石けんと表示されてるものを選びましょう。
エッセンシャルオイル
心地よい香りはリラクゼーション効果があるとともに、家のなかをきれいにするのが楽しくなります。
香りだけではなく、ティーツリーは抗菌効果、ペパーミントは虫除け効果などがあり、それぞれの特性を利用してお掃除することができます。
ただしエッセンシャルオイルは、100均のものではなくアロマテラビー関連の商品を扱っているお店で購入しましょう。
混じりけのないピュアなエッセンシャルオイルは高価ですが、化学合成されたものでは効果が期待できません。
『天使は清しき家に舞い降りる』流レシピ
クラブクリーン(ガラスクリーナー)
- 材料:炭酸水
- 用意するもの:スプレーボトル、マイクロファイバーウエス
まず最初にご紹介するのは、ガラス磨き。
レシピというほどでもない作り方です。
たた単に炭酸水をスプレーボトルに入れてガラスに吹き付けてウエスでふき取るだけ。
これは騙されたと思って試してみてください。洗面所の鏡がピカピカになります。
ただコツがあります。
ふき取るウエス(雑巾)は、タオル地ではない、ファイバークロスを使ってください。タオル地は繊維のクズが付着してしまいます。
最初、試しに拭いてみると曇った感じがしてがっかりさせられます。
なんだ、きれいにならないじゃない…。
ところが時間をおいてみてみると、曇っていたと思った鏡がピカピカになっているではありませんか!
それ以来、飲みきれなかった炭酸水をスプレーボトルに詰めて常に洗面所にスタンバイしております。
炭酸水は気が抜けても大丈夫。十分効果を発揮させてくれます。
アース・シェーカー(台所用クレンザー)
一番素敵でシンプルなレシピがこれ。なんでも使えて万能お掃除アイテムです。
- 材料:重曹、エッセンシャルオイル
- 用意するもの:プラスチックの容器、または粉砂糖用のステンレスのシェーカー
作り方
容器の半分まで重曹を入れ、エッセンシャルオイルを15~20滴入れ軽く振り、上から少し重曹を足してさらによく振ります。
レシピではレモンかライムのエッセンシャルオイルとなっていますが、私はペパーミントを使っています。
キッチンで使うと虫除けにもなるし、何と言っても爽やかな香りが爽快です。
使いかた
重曹は油汚れを落としてくれる優秀アイテム。
シンクや桶などに軽く振りかけ、スポンジで拭いて水道水ですすぎます。
鍋のこげつきや、まな板の洗浄、水筒の中の掃除や消臭、ゴミ箱に振りかけておくと小バエ防止にもなります。
ただしアルミニウムの鍋に長時間ふりかけておくと変色してしまうので注意しましょう。
優秀アイテムの重曹ですが、難点を言うと、乾いたあと粉をふいて、白い拭き筋ができるのがデメリット。
これは使いすぎが原因です。
ちょっと振り掛けるだけでいいのでシェーカーが便利です。
ただあいにくシェーカーは100均にも雑貨屋やホームセンターでも、ありそうで中々ないのが現状です。
私もいくつかのホームセンターや100均に探しに行きましたがしっくりくるものがありませんでした。
そんなときはクラフトのパルメザンチーズのプラスチック容器か、ダイショーの塩コショウの容器を再利用するといいです。
くれぐれもラベルをつけてくださいね。
お皿にパラパラ(食器洗い機用補助剤)
- 材料:重曹
- 用意するもの:シェーカー
食後のすぐの片付けは憂鬱なもの。誰だってさっと動きたくないものです。
こんなときとりあえず下げたお皿に重曹をパラパラと振りかけておきます。そのとき少し湿り気があればなおいいです。
そのまま5分以上放置。重曹を振りかけた瞬間に食器洗い機を使ったお皿洗いは始まっているのです。
少し元気がでたところで、さぁ、お皿の山をシンクから出して食器洗い機に直行です。
そのまま食器洗い機の中に片手いっぱいの重曹を振りかけてスイッチオン!
キラキラソーダ(カーペット用消臭剤)
- 材料:香りつき重曹
- 用意するもの:掃除機
香りつき重曹を作ります。
作るとっても重曹にエッセンシャルオイルを落とし香りをつけるだけ。
ラベンダーなら900gの重曹に対して10滴程度落とします。
ペパーミントやティーツリーだと25滴程度。
重曹がビニールに入っているときは箱に移し変えてエッセンシャルオイルを加えてください。エッセンシャルオイルがつくとビニールが溶けてしまうことがあります。
使いかた
臭いを取りたいところに香りつき重曹を振りかけて、2時間程度そのままにしておきます。
臭いがひどいときは一晩置いておきましょう。そのあと掃除機をかけます。
ペパーミントを使うと清潔でさわやかな香りになりおすすめです。
プラスチックの悪臭を退治しろ(臭い吸収剤)
- 材料:香りつき酢酸
プラスチックについた悪臭は頑固でなかなか取れませんが、酢酸につけるとあら不思議…。
消えてしまいます。
香りつき酢酸は薄めた酢酸水の中にエッセンシャルオイルをポトポト落として作ります。
私は最初ハインツのホワイトビネガーを愛用していましたが、クエン酸がスーパーでも手軽に買えるようになって試してみたところ、ツンとする臭いがないのでもっぱらこちらを使っています。
200mlの浄水器の水に小さじ1杯のクエン酸を混ぜてエッセンシャルオイルを数滴垂らして作ります。
オーストラリアの木のビネガー(ティーツリーの香りつき酢酸)
プラスチックを消臭したいときに効果があるのは「ティーツリーオイル」。
350mlの酢酸水に7~8滴入れて作ります。
ネイチャーメイド(臭い吸収剤)
トイレの消臭なら酢酸水とペパーミントのエッセンシャルオイルがおすすめです。
350mlの酢酸水にペパーミントオイルを5~6滴を入れて混ぜ合わせます。
スプレーボトルに詰め替えてトイレに常備しておきます。気になる臭いにシュシュっと吹きかければ爽やかな香りに変わります。
ペパーミントのエッセンシャルオイルはたしかに爽快で、すがすがしい香りがしてお掃除もはかどります。
しかし、エッセンシャルオイルはお値段が高めです。
その代用として、薬局でワンコイン程度で買えるハッカ油にしてみました。
厳密に言うと、香りに違いはあるものの、とくに支障はなかったので、用途に合わせて使い分けています。
ママの地球モップ(床用クリーナー)
このレシピは毒性のない家をきれいにするためのシンプルなアイテムで、あらゆるところに使えます。
簡単に作れて、どのお掃除にも使えるので、いくつかボトルをつくり各部屋にスタンバイさせています。
- 材料:酢酸、水、エッセンシャルオイル(ペパーミント)
- 用意するもの:480ccのスコートボトル、またはスプレーボトル
作り方
酢酸と水を同量、ボトルいっぱいに入れ、ペパーミントのエッセンシャルオイルを15~20滴入れよく振って混ぜ合わせます。
使いかた
直接床に吹きかけて、雑巾かモップで拭き取るだけです。
台所やトイレ、タイルの床にも使えます。
またお風呂場の浴槽や蛇口についた石鹸の膜にもシュシュっと吹きかけてこするときれいにしてくれます。
フィズンフリー(排水パイプ用クリーナー)
- 材料:重曹と香りつき酢酸
詰まってしまった排水パイプにはあまり効果がありませんが、日ごろからの予防としてケアするにはとても効果的で安全なお掃除法です。
使いかた
重曹1/2カップを排水パイプに振り入れます。そこに酢酸1カップ以上を加えます。
すると化学反応でシューっと発泡しはじめます。
(これが案外楽しい)
栓をして泡が出終わるまで2~3分待ちます。
そのあと、熱湯をすすいで完了です。必要ならもう1回繰り返します。
バニラ・パワー(エアーフレッシュナー)
私の末娘のたばこ嫌いは徹底しています。
夫はホタル族で決して室内では吸わずベランダで吸っていますが、それでも室内に入ったとたん、臭い!と注意されています。
なので末娘は夫の車には乗りたがりません。たばこ臭さで気分が悪くなるようです。
そんな中、シンプルだけど驚くほど効果があるエアーフレッシュナー。作り方は簡単。
- 材料:バニラの抽出液
- 用意するもの:ボール状の脱脂綿1個、小さな広口瓶か皿、またはボウル
容器の中にバニラの抽出液を入れ脱脂綿全体をよく浸し、香りをつけたいところに置くだけです。
1時間もしないうちに効果があらわれ、8時間くらい経つと香りが違うのがわかります。
魔法使いマーリンのマジック(消毒用石鹸スプレー)
ティーツリーオイルの魔法の抗菌パワーを使ったレシピです。
- 材料:液体石鹸、浄水器の水、ティーツリーオイル
- 用意するもの:480ccのスコートボトルまたはスプレーボトル
作り方
- 容器いっぱいに浄水器の水を入れ、大さじ3の液体石鹸を入れます。
- ティーツリーオイルを20~30滴以上落とします。
- よく振って混ぜ合わせます。
注意
水道水に含まれるミネラルは石鹸の洗浄作用を落とすので、浄水器を通した水か、一度沸騰させたお湯を使うようにしましょう。
使いかた
床掃除や洗濯、おもちゃやドアの取っ手、浴槽、便座などにピュッと一押ししてかけて使います。
子どもが吐いてしまったときや、おもらしの後、汚物やトイレの排水パイプなどの汚れを片付けるのに役立ちます。
ティーツリーが抗菌パワーを持っているので、子どもたちの手洗いにも薬用石鹸代わりにすがすがしく使えます。
アース・スクラブ(浴槽・タイル用クリーナー)
- 材料:重曹、液体石鹸、酢酸、水
- 用意するもの:480ccのスコートボトル(目詰まりしやすいので気をつける)
作り方
480ccの容器なら重曹1カップと2/3、液体石鹸1/2カップをボウルに入れます。
これを水1/2カップで薄めます。
最後に大さじ2の酢酸を入れ、塊がなくなるまでよくかき混ぜます。
容器に移し替えます。
使いかた
これはものすごくソフトでマイルドなクレンザーです。
浴槽の湯垢や、便器の裏側、油でベトベト汚れてしまったところなどよく落ちます。
傷がつかないように柔らかめのたわしかスポンジでこすり、よくすすぎます。
重曹は乾くと白く粉を吹いていることもあります。
そのときは香りつき酢酸と水で流すようにしましょう。カビもつきにくくなります。
重曹と石鹸は分離しやすく目詰まりしやすくなるので、使う前にはよく振って使うようにしてください。
残念ながらこのレシピを入れる最適な容器はありません。
ポンプ式のシャンプー容器は目詰まりしてしまうので避けたほうがいいです。
スコートボトルも若干目詰まりします。
どうしてもいい容器が見つからない場合は液体石鹸の入っていた容器を再利用してもいいかと思います。
ハリウッド・ボール(トイレクリーナー)
このレシピは上で紹介した「アース・スクラブ」の変形版です。
上記のレシピに殺菌力のあるティーツリーオイルを加えて作ります。
使いかた
主にトイレの掃除用として使います。
ティーツリーの香りがトイレの悪臭を消してくれます。
ティーツリーはなんとなく木酢液のような香りがして、最初はもしかして抵抗があるかもしれません。人によっては、カブトムシの臭いと表現する方も…。(なるほど…)
慣れれば、逆に森林の中にいるような気分にさせられ(無理やり?)個人的には嫌いではありません。
とは言っても独特な木の香りは好き嫌いがあるようで、
どうしても苦手なら、ペパーミントかラベンダーで代用してみてはいかがでしょうか?
私はティーツリーの香りで液体石鹸を作るとき、マジック・ソープを代用することもあります。
※画像をクリックすると詳しい商品サイトに飛びます
ただ単にボディソープとして買ったはいいが、毎回、虫になった気分にされられるので、掃除アイテムに使っている…という話ですが…(笑)
皿洗い用ピチャピチャ洗剤(多目的家庭用クリーナー)
著者は地球に優しい掃除法と謳ってレシピを紹介していますが、合成洗剤をまったく否定しているわけではないようです。
事実、使っていてよく落ちるし便利です。
しかし闇雲に使っていいわけではなく環境のことにも気を配りながら使うといいのかな…と思います。
合成洗剤をつかったレシピの中で私がお気に入りで便利に使えているものがあります。それがこのレシピです。
- 材料:台所用液体合成洗剤、水
- 用意するもの:バケツ
作り方
バケツ1杯のお湯に台所用液体合成洗剤をピュピュッと1~2回入れ、よく混ぜ合わせます。
480ccのスコートボトルなら台所用液体合成洗剤大さじ1、240ccのスプレーボトルなら台所用液体合成洗剤小さじ1の割合で混ぜ合わせます。
使いかた
床掃除をするときはバケツに台所用液体合成洗剤を入れたもので雑巾を浸して絞り拭き掃除をします。
そのあとママの地球モップ(床用クリーナー)を直接吹きかけて仕上げ拭きをします。
床だけではなく、壁、窓、幅木や洗車にも向いています。
今まで市販のマジ○○リンを使っていましたが、これなら買い置きを切らしても手軽に代用でき、掃除アイテムを増やす必要もありません。
収納棚にあらゆる種類の似通った洗剤が並ぶのは好きではありません。
洗剤類は、シンプルにひとつのものがあらゆるものに使えるのが理想です。
Note
「地球に優しいお掃除」をテーマにお掃除に取り組んでいる方も多いことと思います。
でも毎回自分で作るのが面倒だったり、材料の在庫を切らしたりと…スーパーで手ごろに買える市販のもので済ませている…なんて逆戻りしているパターンもあるのではないでしょうか?
重曹や酢酸、液体石鹸など市販の合成洗剤に比べすすぎも楽で、水の無駄遣いも解消できます。
特にすすいでも泡が消えないという時間のロスとストレスも軽減され、一石二鳥です。
重曹も定着してきた今、もう一度見直してみましょう。