物件を探すときにこの内見が一番ワクワクする瞬間です。
いろいろな物件を見て回って自分が住んだときのイメージを想定するというのはとても楽しいですよね。
しかし内見は何度もできるものではありません。
雰囲気を見ただけだと後からコンセントはどこにあったけ?
洗濯機置き場は?
駅からどうやって行くの?など
具体的なことが全然記憶に残っていないということも…。
業者によっては、2回目、3回目の案内も快く引き受けてくれるところもありますが、正直お互いの時間のロスです。
1回の内見できっちりとチェックするようにしましょう。
物件を見るときのポイントをまとめてみました。
Contents
物件を選ぶときに見ておくべきこと
物件を選ぶときに、いろいろな要望はあるでしょう。
駅から近いほうがいい、子どもの学校区、スーパーや商店街までの距離、近隣に公園はあるか…。
などなど希望を並べたらきりがありません。
しかし、それよりも最優先に考えることは、その物件が耐震基準を満たしているかどうか。
これは必ずチェックしておきたい事項です。
大まかにいえば耐震基準を満たした物件を選ぶということです。
耐震基準をみたしているかどうかの目安は1981年(昭和56年)が基準となり、これ以前に建てられた物件は旧耐震、それ以降に建てられた物件は新耐震となっています。
ただ、この時期も微妙な場合があるので、物件概要書をチェックしておきましょう。
関連記事「旧耐震」と「新耐震」の基準は?「建物の耐震化」が必要な理由は?
物件を見るときのチェックポイント:室内編
日当たり
間取り図が南向きとなっていても、実際現地に行ってみると南側にびっしり建物が建っている場合もあります。
南向きの物件にこだわり過ぎるより、部屋全体の明るさを見るようにしたほうがいいでしょう。
どの方角に窓があるかではなく、今、窓がある位置に将来建物が建つ可能性はあるかどうかをチェックしましょう。
窓がある位置が道路面であれば将来建物が建つ可能性はあまりないでしょう。
しかし窓のある位置が空き地、または駐車場だと将来建物が建つ可能性は十分にあります。
そうなったときに日当たり具合がどのように影響するのかも見ておくといいでしょう。
周りに障害物がない場合、東向きだと午前中、西向きなら午後から日が入ります。
夏場だとあまり日が入る南や東よりも北側の部屋が涼しくて快適です。
逆に冬場は北向きは東や南向きに比べ温度が低くひやっとした感じがします。
西向きは西日の日差しが結構強いので家具や本棚の本が色あせたりします。
と言うのは誰しも知っていること。
皆が懸念しがちな北向き窓について。
意外と北向きというのがよかったりします。
直接陽が当たらず南や東に比べ暗めではあるものの1日を通じて安定した明かりが確保できます。
注文住宅で家を建てるとき、天窓や吹き抜けを敢えて北に設置して一日中明かりを確保する設計もあるくらい北は意外と盲点です。
図面を見て北向きだと懸念せず現地を確認してみては?
窓から見た景色
日当たりのチェックと同様、
目の前に大きな建物があるかどうか、また隣の建物の距離なども併せて確認し、プライバシーは保てるかどうか確認しましょう。
そして、想定しておかなければならないのが、都心ではいつ高い建物が隣、または側に建つかもしれないということ。
そうなったときに角部屋だと日当たりなどの影響は若干悪くなる程度で済みますが、中部屋だとかなり暗くなる可能性もあるということを考えておきましょう。
部屋の広さ
間取り図で1LDKや2DKなどの部屋数にこだわっていても、案外平方メートルにはピンと来ない方も多いようです。
不動産屋が「へーべ」といっているのは、「平方メートル」のことです。
漢字で書くと「平米」。
住宅では平方メートル(㎡)を使用することが多いのですが、「坪」表記も覚えておくと便利です。
実際に内見する部屋の広さをみるようにしましょう。
1坪=3.30579平方メートル
1平方メートル=0.3025坪
たとえば25平方メートルなら7.5坪ということになります。
計算のしかたは、平米から坪に換算する場合は、0.3025を乗じます。(かけ算します)
25(㎡)×0.3025=7.5625 したがって約7.5坪。
逆に坪を㎡に換算する場合は、
1坪は3.305785㎡となり私たち不動産会社では、
「〇坪×3.3」と計算しています。
また畳2枚=1坪と覚えておくと、7.5坪だと15畳というのがわかりますね。
畳で考えると広さもピンと来るのではないでしょうか?
内見するときに忘れてはならないのがメジャーです。必ず持参しましょう。
寸法図がもらえるならばサイズが記載されていますが、ない場合も多いので、実際におおまかに図ってみましょう。
詳細に図ると何件も物件を内見する場合、時間を要してしまいますが、これと決めた物件については実際に持ち込み家具が置けるかどうか確認しておいたほうがいいでしょう。
いざ家具を置こうとしたときに入らないでは困りものです。
音の問題
音の問題は極めて個人差があるため、うるさいと感じる音は人それぞれです。
特に前面が大きな道路がある場合や、JRが近くに通っている、地域によっては飛行機の騒音など、窓を閉めたときにどれくらい聞こえるか、またそれは許容範囲なのかどうか確認してみましょう。
外の騒音だけではなく、気にして欲しいのは中の音。壁の厚さや床、天井の音の響き具合など慎重に確認しましょう。
外の騒音はそのうち慣れてくるということもありますが、賃貸物件のトラブルで上位を占めるのは近隣の騒音問題です。
スリッパなどの音が響くような造りの建物は注意しましょう。
内見の際には、壁を叩いてみて確認してみましょう。
薄い壁だと、叩いたときに「バーン」と壁の向こうまで響く音がします。
壁が厚いと「ドン」とコンクリートに音が吸収されます。
部屋の傾き
内見のときは、ビー玉を持参しましょう。
ビー玉を置いて転がらなければ大丈夫。転がるようであれば、その物件は傾いています。
傾きで一番の問題は「耐震性」「耐久性」など建物の構造への影響です。
古い物件は特に注意が必要です。
またその他問題点として、傾いた物件にずっといると、平衡感覚に影響が出て具合が悪くなるなどの症状が現れる方もいるのも事実です。
エアコン
賃貸の場合、エアコンはついていることが多いです。
しかし中には古い物件などついていないこともあるので確認が必要です。
また、エアコンがサービス設置品となっていた場合、前の入居者が自分でつけて取り外さずにそのまま退去した残置物で、どうぞ使ってくださいということです。
これはラッキーな反面、故障した場合のメンテナンス費用は自分で負担しなければなりません。
また自分が持っているものをつけたいという場合は取り外し費用がかかります。
これは契約前なら交渉次第では貸主が負担する場合もあるので確認しましょう。
入居して暫く使用して壊れたから貸主負担で取り外して欲しいといっても、契約書にサービス設置と唱っていれば難しいと思います。
水まわり
水まわりは生活するうえでとても大切な場所です。
男性で自炊はしないといっても、入浴はしますよね?
ここはきちんと確認しておきましょう。
- 洗濯機パンはついているかどうか、またサイズはどれくらいか?
- 洗面所の収納はどれくらいあるか?
洗面所回りでつかう小物は案外多いので収納があまりない場合は取り付けるスペースがあるかどうかも確認しておきましょう。
- トイレにウォシュレットは装備されているか?
最近ではウォシュレット付の賃貸物件も多いようです。あると便利なので確認しておきましょう。
収納の数・奥行き
収納が多い物件に越したことはありませんが、使い勝手の悪い収納だとないほうがいいという場合も。
特に問題なのが奥行き。
自分のもっている荷物に対して十分な奥行きはあるか、また奥行きがあればいいというものでもありません。
荷物に対して奥行きが深すぎると無駄なデットスペースとなってしまいます。
モバイル機器などの電波状況
案外見落としがちなのが電波状況。
部屋によっては電波の入りが悪い場所も。
現代人にとってこれは死活問題なので部屋中を歩き回って、WiFiなどの電波状況を確認しましょう。
バルコニー
洗濯物が干せる奥行きがあるかどうか、外から丸見えのバルコニーかどうか。
特に女性の一人暮らしの場合、安心して干せるかどうかも確認しておきましょう。
内装
床やフローリング、壁などに傷がある場合、入居前に直してくれるのかどうか確認しておきましょう。
現状のままということであれば、退去のときに問題とならないように、契約書に写真を添付してもらうなどお願いしましょう。
また自身でも写真を撮っておくとよいですね。
コンセントやテレビ・電話端子の位置と数
設備と併せてチェックしておきたいのが、コンセントの数と設置場所。
家具を配置しようとする場所にコンセントがあるならば、延長コードを使用しなければならなくなります。
洗面所など水回りのコンセント位置も確認しておきましょう。
トイレにウォシュレットがなく、自分で取り付ける場合、コンセントがあるかどうかも重要になってきます。
また、電話端子やテレビ端子の位置もチェックしておきましょう。
物件を見るときのチェックポイント:建物編
エントランスや廊下まわり
その建物はきちんと清掃がされているか、他の入居者が私物など置いてないかどうか確認しましょう。
清掃状態が悪いということは、管理もきちんとされていない、何かあったときの対応が遅いことなど考えられます。
家主や管理会社がどのようであるかは清掃状態に一番現れると言えます。きちんと清掃が行き届いているところは対応も迅速という傾向はあるようです。
また、入居者がルーズだと近隣トラブルに発展しかねません。
建物を見る=どんな入居者がいるのかを確認するということなのです。
ゴミ置き場
清掃と同じく、ゴミが散乱しているような物件は入居者のモラルが低く、また管理会社もしっかりしていないと考えられます。
またゴミが放置してある物件だと、虫の問題も考えらえます。
ゴミ出しのルールが守れているかどうか確認しましょう。
郵便ポスト
ダイレクトメールやチラシが散乱しているような物件は管理人がいないか、管理会社が頻繁に見回りに来てない物件の可能性が高いです。
管理が厳しい物件はポスティングチラシをポストに投入しようものなら管理人がすぐ飛んできて注意します。
私も仕事で何度かポスティングチラシを入れたことがありますが、管理人がばっちり張り付いて配れないところもしばしば。
たいていそのような物件は管理もしっかりしています。
入居者にとってそのような物件は安心して住むことができると言えますね。
また宅配ボックスなどを設置している物件もあるので、宅配ボックスの大きさや個数なども確認しておきましょう。
しかし現実に管理人が常駐している物件は分譲マンションがほとんど。
どうしても管理人が常駐している物件がいいなら分譲型の賃貸マンションを探すといいのですが、ワンルームなど単身用は少ないです。
また分譲マンションでも必ず常駐しているとは限らないので確認が必要です。
賃貸マンションで探すなら管理会社がどこかチェックしておきましょう。
大きな管理会社だとワンルームでも管理人常駐の物件はあります。
内見時に営業マンに尋ねてみてもいいのですが、仲介業者の場合、管理をしているわけではないので即答できないことも多いです。
確認してもらうようにしましょう。
駐車場・駐輪場の位置
都心の物件では平面駐車場は少なく、機械式が多くなってきました。車が入るサイズかどうか事前に確認しておきましょう。
あわせて自転車置き場の位置や台数は何台置いていいのか確認しておきましょう。
物件によっては、ステッカーを貼ってその物件の自転車であることを証明しないと置けないところもあります。
セキュリティ
オートロックかどうか、オートロックであっても簡単に侵入できる造りかどうか見ておきましょう。
正面玄関はオートロックでも、駐輪場に抜ける道がすんなりと入れるようなつくりは注意が必要です。
また、死角がないかどうかも確認しましょう。
建物の周囲
物件の周囲の様子も確認しておきましょう。
隣の物件と離れているかどうか、出入りしている人たちの様子など見ておきましょう。
物件を見るときのチェックポイント:周辺の環境
最寄駅
前述しましたが、物件概要書に書いてある駅から徒歩○分というのは、80m/1分で換算しており、物件から駅までに信号があればその待ち時間などは考慮されていません。
従って記載された時間よりかかる場合が想定されます。
実際に歩いてみて距離は測りましょう。
また日中と夜とでは人通りもかなり変わってきます。
女性の一人暮らしで帰りが遅くなる場合、駅から物件までの道中が一人で歩いても安全かどうかできれば夜出向いて確認するようにしましょう。
バスならば本数・始発最終の時間
私の住んでいるエリアはバスは定刻通りちゃんと来ることがありません。
その日の交通時渋滞状況によって影響されることが多いです。
またバス停があるからといって安心してはいけません。
きちんと時刻表まで確認しましょう。
1時間に1本しかない、あるいは日に数本しか通っていないこともあります。
また始発や最終の時間も併せて確認しておきましょう。
スーパーなどの商業施設
毎日の買い物が便利がいいか、最寄りのスーパーはどこか、コンビニは近くにあるかなど日常生活に必要な商業施設は確認をしておきましょう。
学校・公園
学校までの距離や近くの公園の様子を見ておきましょう。
小さなお子さんがいる場合、公園は毎日遊ぶ場所になります。
おそらく小さなお子さんがいらっしゃる家庭で引っ越しする場合は近くの公園というのが一番気になるところですよね。
物件から見える位置に公園があるというのはとても便利です。
しかし家で家事をしたい場合も近所の子どもたちが遊ぶ声が聞こえると、
「行きたい!」と子どもから催促されることもあり、便利なようで悩む場合もありますね。
病院
小さなお子さんがいらっしゃる家庭では、近くに小児科があるかどうかは押さえておきたいポイントですね。
その他、内科や外科などどこにあるかも合わせて確認しておきましょう。
特に外科は押えておきましょう。怪我をしてしまったときにどこに行っていいのかわからないでは大変です。
以上の点をチェックシートにまとめてみました。参考にしてください。
《室内》
□ | 日当たりはいいか? |
□ | 窓からみた景色:風通しはいいか? |
□ | 部屋の広さは |
□ | 騒音はしないか? |
□ | 建物は老朽化していないか?(傾きをチェック) |
□ | 扉や窓はスムーズに開け閉めできるか? |
□ | エアコンの有無(設備かサービス設置品か?) |
□ | 排水につまりはないか? |
□ | 洗濯パンの有無、(有…サイズは?) |
□ | 洗面所の収納はどれくらいあるか? |
□ | トイレのタイプ(ウォシュレットはついているか?) |
□ | 収納の数は?奥行きは何cmか? |
□ | 季節によって寒暖の差はなさそうか? |
□ | 携帯電話の電波は入るか? |
□ | テレビの映りはどうか? |
□ | バルコニーは洗濯物を干す広さはあるか?視界はどうか? |
□ | 内装:壁紙のはがれやフローリングの傷みはないか? |
□ | コンセントの数、位置の確認 |
《建物》
□ | エントランスまわりはきれいか? |
□ | ゴミ置き場はきちんと掃除がされているか?ゴミが散乱していないか? |
□ | 郵便ポストはダイレクトメールなど散乱していないか? |
□ | 駐車場の確認(平地か機械式か?サイズは?) |
□ | オートロックか?セキュリティは? |
□ | 建物の周囲はどうか? |
《環境》
□ | 最寄り駅まで何分か? |
□ | 本数はあるか?始発と最終の時間は? |
□ | 近くに商店街・スーパー・コンビニ等はあるか? |
□ | 自然環境(公園・遊歩道)に恵まれているか? |
□ | 近くに病院や医院はあるか? |
□ | 図書館や公民館などの公共施設はあるか? |
□ | 夜の治安はいいか? |
物件を見た後は決断は早く!
春先の物件の争奪戦は嘘ではない
よく不動産会社の営業マンから
「早く決めないと取られてしまいますよ。」
と契約をせかされることもあるかと思いますが、1月から3月にかけては、それはあながち嘘ではありません。
1年のうちで最も物件が動くのは1月から3月にかけての春。
転勤シーズンで、人の異動が激しい時期に加え、入学シーズンでもあるので、学生の引っ越しもこの時期限定で動きます。
この時期は物件の数がかなり限られてくるので、合格しなくてもとりあえず物件だけは押さえておく学生も多いのは事実です。
なので不動産会社の営業トークのように聞こえますが、いい物件はすぐに決まっていきます。
どうしようかと悩んで決断したときにはもう遅い…ということにならないように、下準備をしっかりしておき、内見のときには見た物件のどれかで決める意識で臨みましょう。
Note
内見のコツはつかめたでしょうか?
自分なりのチェックシートを作って内見に臨みましょう。
私の経験では1日に多数の物件を見ても最初見た物件の記憶は曖昧になってしまいます。
だいたい3~4件程度がちょうどいい数だと思います。
ポイントごとに写真を撮ってもいいですね。