要介護認定、要支援認定には有効期間が定められており、引き続きサービスを受けるためには認定の更新が必要になります。
父もいよいよ更新の時期がやってきました。
ケアマネさんが手配してくれ、調査員さんが家に来訪したのは2月の中旬。
それから3月はじめに「要介護3」の通知が届きました。
調査員さんとの会話で注意すべき点は?
事前リサーチをして臨んだ結果……
介護認定更新の時期がやってきた!
介護認定は一度受けるとそれが永遠に続くわけではなく、原則1年ごとに更新をしていかねばなりません。
父が最初に介護認定を受けたのが、入院中の昨年3月。
そのときは脳梗塞を発症し、動くこともできない半身不随状態で車椅子、言語障害により会話もできず、食事は管を通しての一番酷い時期での認定でした。
「要介護4」と認定を受け、まあまあ酷い状態にどうなることやら……と思ったことでした。
それから約5ヵ月の入院生活を経てようやく退院。言語障害によって会話はできないものの、*嚥下(えんげ)障害はなくなり、自力歩行が可能となるまで回復していました。
*食べることや飲み込むことが上手くできない状態
恐らくここで認定を受けたなら「要介護4」ではなく、もっと軽い認定だったと思います。(憶測)
そしていよいよ更新の時期。
家族にとっては今回がはじめての面談です。
この介護認定については、私も事前リサーチしており、特に鳥居りんこさんの本で学んでおりました。
どういうわけか、お年寄りの方って、介護認定のときは俄然張り切る人が多いらしい。
普段できていないくせに、このときばかりはシャンとして
「この通り、ちゃんとできます!」と自慢気にできますアピールにする人が多いとか。
そしてそのあとまた具合が悪くなっていつもの状態になるとか。
これは周りの家族にしてみたら、迷惑な話。
できないなら、できないと素直にしてくれればいいものの、
まるで通知表の「優」をもらうかのごとく自分をよく見せたいという心理が働くのでしょう。
見栄を張りたい気持ちはわからなくもないですが、
ここは張り切らずありのままでいて欲しいものです。
要介護度が上がれば上がるほど多くの介護サービスを利用できますしね。
父にもその点はしっかりと
張り切り過ぎたらダメだからね!
と釘を刺しておきました。
そして認定調査の日
鼻息荒く待ち構えていた私とは正反対に
なんだか優しそうな方がお見えになりました。
74項目にも亘る調査内容を、一つ一つチェックしながら聞き取り開始。
事前にケアマネさんから
次の認定では要介護4はまずあり得ない(私もそう思う)
もしかしたら要介護1とか2になるかも知れませんねと言われていたので、少しでも介護度が上がるアピールはしておきたいところ。
確かに父は介助がないと着替えもできない。
左手でスプーンを持ってぎこちなく食事はできるものの、小さく切ってやったり、箸で口まで運んであげたりなどのサポートは必要。
自力歩行はできるが横で脇を支え寄り添ってあげなければならない。
入浴はひとりでは無理なので私がフルサポートしている。
そんなことを横でとくとくと語っておりました。
優しい調査員さんは父にゆっくり微笑みながら話しかけてくれるのですが、肝心な父は言語障害のため会話にならず。
何を聞いても 「はいっ」としか言わない。
というか
言えない……
これが私たち家族にとっても最大のネックで、意思疎通ができず困っていること。 これについては調査員さんも納得した様子。
身体能力を軽く確認しようとするも、うまく会話にならず、
「できますか?」の質問に
「はいっ」と答える父だが、指示されたことができない。
介護認定は要介護者がどこまで自力でできるのかを把握することが目的でもあり、
聞き取り調査を受ける中で感じたのは、
認知の度合いを重点的に見ているなという印象。
特に認知症の症状の有無を気にしている聞き方でした。
例えば夜中に徘徊して家から出て行ったりだとか、
暴力を振るうようになったとか
お金を盗まれたと騒ぎたてる……などなど。
このような症状が出ている場合は介護度が上がるようです。
父は言語障害はあるものの頭はしっかりしており、私たちの会話は理解しています。 ただ自分の意思を伝えられないだけ。
私たち家族の診立てでは認知症状は出ていない。
そうなると、介護度は低くなってしまうのだろうな…。
そう思っていたら、
なんと「要介護3」の認定でした。
父の場合は、明らかに他人の手を必要とする身体状態です。
今の状態では、ひとりでは何もできません。
必要以上に構えなくても、それ相当な介護認定がでるものだなと思いました。
それに要介護4は要介護3より区分支給限度額は大きくなるものの、基本料金は高くなります。
仮にショートステイを利用したなら、同じサービスでも要介護度が上がるごと料金も高くなるので要介護3くらいがちょうどいいかな。
- ありのままの姿を見てもらうことが大事。
- 要介護者には事前に調査員が来ることを伝えておき、いつも以上にできるアピールをすると手厚いサービスが受けれなくなるかもしれないことを伝えておく。
- 調査員さんは怖くない。
要介護状態区分と利用料
要介護度によって月の支給限度基準額が変わります。
要介護度が高くなるほど支給限度額も高くなります。
要介護度 | 支給限度額 |
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
要介護4は要介護3よりも利用限度額が多くなります。その1割負担(2〜3割負担の方もいる)で利用できます。
ところが特別養護老人ホームなどの施設サービス、通所介護(デーサービス)、短期入所生活(療養)介護(ショートステイ)などは要介護度が上がると、基本料金が高くなります。
これは要介護度が高いほど、提供すべきサービス量が増える、つまり手がかかるため高くなるということ。
そう考えたら父の要介護3は適正な要介護度の判定だと思います。
要介護3であれば、将来的に特養なども検討できることだし。
重度の脳梗塞を発症し退院してから9ヵ月。
在宅介護でサポートしているわけですが、ここにきて家族にも疲労が蓄積してきています。
要介護3になったことで、デイケアの日数を増やすか、訪問看護を充実させるか、ケアマネさんと話合ってしっかりプランニングしていきたいと思います。
ある日突然脳梗塞で倒れた父。要介護4の認定を受け、約5ヵ月の入院を経て無事退院。
在宅で週2日デイケアに通いながらゆっくりと過ごすことにしました。
介護無知な私に降りかかる介護問題や、高齢の両親との暮らしを綴ります。