父が重度の脳梗塞で倒れ緊急搬送。
入院から約1ヵ月半ほどして病院側から介護保険の申請手続きをしてくださいと指示がありました。
介護認定の申請
父が入院したのは救急病院で、半月後には集中治療室から一般病棟に移ったものの長くは居られないようで、リハビリ専門の病院に転院を薦められました。
そのつもりでいたら、リハビリ病棟に空きが出たとのことで、そのまま移ることができ引き続きお世話になることに。
リハビリ病棟では、月に1回、本人と医師、看護師、家族1名での4者面談があるとのことで、3月半ばにようやく父とリアル面談を果たせました。
本当は私と母の二人で参加したかったのですが、コロナ禍で家族は1名しかダメということ。
現在の病状や今後のリハビリ計画などの話を聞かなければならないので、耳が遠い母では少し難しいだろうと私が出向くことにしました。
父としては真っ先に母に会いたいでしょうが、まずは私が面談して大丈夫そうなら来月母に行ってもらおうと。
担当医師の長い説明が始まり、おおかた話の内容は理解できたので、私としては一刻も早く父との面会を果たしたかった。
持ち時間はあとわずかというのに、医師は淡々と同じ説明をくり返し話す。
じれったい…
そしてラスト5分で父が車椅子で連れてこられ部屋に。
最初、私の顔を見てもぼんやりしていた父ですが、父の目を真正面から覗き込み
「わかる?私よ!!」と大きな声で呼びかけると
はっと我に返って私の顔を直視するや否や号泣。
「わかる?」
「うん、うん…」と父。
「大変やったね。頑張ったね」
「うん、うん…」と父涙ポロポロ。
「家族みんな心配しているよ。」と言いながら私も号泣。
感動の親子対面の時間。
ああ、ここまで回復してくれた。まるで奇跡…
生きててくれてありがとう!!
父、よくここまで頑張った。
「早く元気になって家に帰ろうね」
二人で大号泣…。
そんなときに担当医師、
「あのー、そろそろ要介護認定の申請をしてください」と。
(;¬_¬)
ザ・事務的対応
申請手続き
いやはや、あの場面で要介護認定の申請と言われても頭に入ってこないわけですよ。
医師としては業務の一環で、必要なことをすべて伝える責務があるのでしょうが、患者サイドの気持ちになれば1ヵ月半ぶりの劇的再会なわけですよ。
そんな話は先に済ませて家族との面会の時間を有意義に過ごさせてもらいたかった。
温度差あり過ぎでしょ。
ま、とにかく役所に行って申請すればいいわけね。
介護保険を利用したい場合、まずは市役所や区役所、あるいは町・村役場の窓口へ赴きます。
わからなければ「地域包括支援センター」という相談窓口があるのでそこで尋ねます。
住んでいる市町村の窓口にて申請をする。(原則として30日以内に結果が通知されます)
▼
- 訪問調査:調査員が家庭等を訪問し、介護を必要とする方の心身の状態などを調査
- 医師の意見書:主治医が病気などの状態などをまとめた医学的な見地からの意見書
▼
介護認定審査会で要介護度が決定される
要介護度の区分
要介護度は要支援と要介護に区分されます。
(細かく区分すると「自立」があります)
自立は日常生活が一人で支障なく送ることができ、支援が必要ない状態。
要支援は、基本的に一人で生活できるが部分的な介助を必要とする方。
一方、要介護は日常生活全般において誰かの介護が必要な方、認知機能の低下が見られる方が該当します。
さらに細かく区分すると
- 要支援は1~2まで
- 要介護は1~5まで
の7段階に区分されます。
程度 | 区分 | 心身の状態の例 |
軽度 | 要支援1 | 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできるが、要介護状態とならないように身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とし、適切にサービスを利用すれば改善の見込みの高い方。 |
要支援2 | 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできるが、身の回りの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とし、適切にサービスを利用すれば改善の見込みの高い方。 | |
要介護1 | 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできるが、身の回りの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。 | |
中度 | 要介護2 | 排泄や食事に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがあり、身の回りの世話の全般に何らかの介助を必要とする。 歩行や移動の動作に何らかの支えを必要とする。 |
要介護3 | 身の回りの世話や排泄が自分ひとりでできない。移動等の動作や立位保持が自分でできないことがある。 いくつかの問題行動や理解の低下が見られることがある。 |
|
重度 | 要介護4 | 身の回りの世話や排泄がほとんどできない。移動等の動作や立位保持が自分ひとりではできない。 多くの問題行動や全般的な理解の低下が見られることがある。 |
最重度 | 要介護5 | 排泄や食事がほとんどできない。身の回りの世話や移動等の動作や立位保持がほとんどできない。 多くの問題行動や全般的な理解の低下が見られることがある。 |
厚生労働省のHPを確認すると介護認定の判定は
要支援1 | 要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要支援2 要介護1 |
要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護2 | 要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護3 | 要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護4 | 要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護5 | 要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態 |
との記載がありました。
これによって要介護度が決定されます。
そしてその区分によって介護サービスを受けた場合の月の支給限度基準額が決まります。
要介護度 | 支給限度額 |
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
要介護度によって支給限度額が変わり、介護度が高くなるにつれ支給限度額が高くなります。
要介護者は費用の1割(一定以上所得者の場合は2割または3割)負担でサービスが受けられるということです。
役所で申請したあとは、認定結果を待つばかり。
父は入院中だったため、当然ながら家庭訪問はなく、病院に調査員が赴いて主治医の見解と父の状態を確認して手続きが進められました。
それから約1ヵ月ほどで認定結果が届き
父はなんと
要介護4
w(゜o゜)w
「要介護4」と認定
要介護5がほぼ寝たきり状態で、要介護4はその一つ手前の区分「重度」に該当します。
そんなに酷い状態なのか…。
リアル面会で父に会ったときは車椅子で、鼻から管が通されていて、意思疎通もままならぬ、まあまあ酷い状態ではあったものの、実際に「要介護4」の判定をいただくとずしりと現実が。
ただ要介護4だと1ヵ月あたりの支給限度額が323,400円(30,938単位)あり、自己負担1割でサービスを受けることができます。
退院後、どのようなサービスを利用することになるのかはこの時点ではまだ不明ですが、 要介護4で受けれるサービスにざっと目を通しておくことは必要かな…と思いました。
まとめ
要介護4の認定を受けたときはまだまだ入院中。
すぐに起こせるアクションは何もありませんが、人によっては入院期間が短くなることもあるので、医師からの指示があった時点で早めに申請しておくべし。
介護保険の認定は申請から約30日と結構時間がかかるので、認定が降りる前に退院となったら間に合わないですしね。
また入院中は医療保険が適用されるので、申請が降りたとしても介護保険は使えません。
しかし退院後すぐに介護保険によって介護費用の一部が給付されるので金銭的な負担が少なくなります。
入院中の介護保険の申請について具体的な基準を設けている自治体もあるようなので、まずは役所や入院中の病院に尋ねてみるといいですね。
父が入院した病院は、病院のほうからアナウンスがありました。
この時期、家族はなにもできることがないので(面会できない・電話もできない)ただ指示を待つばかり。
まずは介護の1ステップ、クリアと言ったところでしょうか。
ある日突然脳梗塞で倒れた父。要介護4の認定を受け、約5ヵ月の入院を経て無事退院。
在宅で週2日デイケアに通いながらゆっくりと過ごすことにしました。
介護無知な私に降りかかる介護問題や、高齢の両親との暮らしを綴ります。