脳梗塞で右片麻痺、言語障害となり要介護4の認定を受けた父。
約5ヵ月強の入院を経て退院してきましたが、
できる会話は
「はーーーーい」
「そうね~」くらい。
そんな父が将棋をするなんて……
脳梗塞になった人の脳って……?
2022年6月末に、脳梗塞で倒れた父が約5ヵ月強の入院を経て退院しました。
入院当初は車いすで、嚥下(えんげ)障害もあり、鼻から管を通され、口から食べ物が食べれない状態。
一時はどうなることかと思いましたが、退院するころには自力歩行が可能となり、鼻から通された管も外れ、流動食が食べれるようになり、退院1週間前にはとろみなしで食べ物が食べれるようになるまで回復してくれた父。
ところが、医師から宣告された失語症、これは思うように回復しておらず、
「はーーい」と返事はするものの、喋りたいことが言葉にならない。
父は何か言おうとしているんだけど、一生懸命発音しようと試みるも言葉にならず、途中で諦めて
「はいっ」で会話が終わってしまう。
私としても、父が言いたいことが何だったのか、
「も一度、言って!」と
よく聞き取ってみる努力をするものの、
?????
(・ω・;)ワカラン…
お互い、不穏な空気が流れる…
そして諦めたみたいに
「はいっ」と言う父。
私がエスパーで父が思っていることが解って
父の思うことを代弁してやれたらどんなにいいだろう……。
でも、そんなことはできるはずもなく……
言語障害って思った以上にタイト。
健常者もそうだけど、自分の思っていることは口に出さなくても、きっと解ってもらえるなんて思ったら大間違い。
ちゃんと言葉にしないとわからないことってたくさんある。
気持ちを伝えるのに言葉なんて要らないっていう人もいるけど
それはきれいごと。
そんなに的確に伝わるものじゃない。
きっと、こんなこと言いたいんだな…と予測してもそれが正しいとは限らない。
その予測は、
父ならこう言うだろう…という父の性格から推測したものに過ぎず
ホントは違うことを言いたいのかもしれない。
お互いもどかしい、
もどかしい時間が過ぎる…
でも、今の時点で父は
私たちが言っていることは理解できているよう。
だから敢えて難しい会話をしてみたりする。
難しい会話と言っても、私に起こったちょっとした事件を話して、
「かくかくしかじかで大変だったんだよね~」
とまるで健常者だった父に相談するような話をしてみる。
そしたら父、
私の話に同調して、
「そうね~」と、顔をしかめて返事する。
私が言っていることは理解できても、
自分の意見を言葉にすることができない……。
さぞかしもどかしいことだろう。
私も父が言いたいアドバイスを聞くことはできない。
でも、父の脳はしっかりしている。
そんな事実に直面しました。
息子と将棋をする父に驚愕
父が退院したのが6月末。
就職して東京に赴任し一人暮らしをしている息子が7月の連休に帰福しました。
息子も父のことを大変心配しており、父が少しでも回復してくれたらいいと、将棋を持参しての里帰り。
「あんた、言葉もよう喋れんのに将棋なんかできるわけないやろ??」と息子に苦笑いした私。
でも間違っていたのは私のほう。
息子が父に
「将棋しようよ!」と将棋の駒と将棋盤を渡すと、息子が席を外している間に将棋の駒を並べてスタンバイ。
えっ???
(;゚д゚)ェ…
これ、父が並べた??
それだけでも快挙。
息子は大学時代、将棋クラブに所属していたこともあり、なかなかの腕前。
ところが父に勝ったことはなかったようで、父に勝つことを目標にしていました。
私は将棋がまったくわからないので息子に対局したときの様子を伺うと、
父はルールはしっかり覚えているよう。
ときどきミスもあるようで、初日は息子が勝ったものの苦戦する局面もあったよう。
まさか将棋ができるとは思っていなかった。
∑(=゚ω゚=;)
脳って、例え言葉を失ってもしっかり機能しているんだね。
その日、父は脳みそをいっぱい使ったのか疲れて早い時間にご就寝。
がんばったね、父。
そして翌日
息子、まさかの敗北…。
父が勝った!!
\(°∀°)/\(°∀°)/
このまま息子との将棋を続けられれば父の脳の回復に大いに役立つのは言うまでもないが、
社会人2年目の息子にひんぱんに帰ってきてもらうわけにはいかず…
かといって遠隔での対局などできるはずもなく…
デイケアに将棋が打てる人がいればいいのになあ…
とにかく人間の脳は侮れないと思った瞬間でした。
これが刺激となり脳の機能が回復していってくれるといいなぁ。
ある日突然脳梗塞で倒れた父。要介護4の認定を受け、約5ヵ月の入院を経て無事退院。
在宅で週2日デイケアに通いながらゆっくりと過ごすことにしました。
介護無知な私に降りかかる介護問題や、高齢の両親との暮らしを綴ります。