手縫いで何かを作るとき、気になるのが端の始末。
ミシンだと、ジグザグミシンやロックミシンで処理できますが、手縫いだとどうするの?
手縫いの場合、布の端を巻き込んで縫うかがり縫いという方法で行うのですが、裏側といえどキレイに見せたいなら「袋縫い」がおすすめ。
今回は、リネン(麻)布に刺し子糸でステッチしたデザインのシンプルなティッシュケースを袋縫いで始末したものを作ってみましょう。
手縫いのテッシュケース
ちょっと戯言なので、作り方をすぐ見たい方はこちらへジャンプ!
以前、アップした記事
こちらでシンプルなティッシュケースの作り方をガイダンスしておりました。
ただこれはミシンで作業したやり方で、今回はこの手縫いバージョン。
と言っても、作り方の工程はほとんど同じ。
違いは端の始末。
ジグザグミシン(ロックミシン)でやっているところを「袋縫い」に変えてのガイダンスです。
実は不器用な私…、線ひとつもまともに引けないありさま。(歪む)
ソーイングするときに、ちょっとした小物であれば、型紙をおこさず直接布に線を引いて型を取ります。
30cm定規や、50cm定規内に収まるものであれば、問題なく線をひくことができるのですが、それ以上になると微妙に何ミリかずれて斜めになってしまいます。(汗)
長方形にしているつもりでも、ゆるやかな台形になっているという…笑笑
そこでA2サイズのカッターマットに布を乗せて採寸。
それでもいいのですが、もっと簡単にキレイに型紙をとる方法は、面倒でも厚紙または方眼つきの工作用紙に型紙をおこしておくこと。
そうすると、厚紙の厚みが定規代わりとなり、型紙を布に当てチャコペンシルで型紙をなぞれば、いちいち計測せずとも型紙が取れるので便利。
型紙作るのが面倒ですが、いちど作っておけば、また作りたいときに布に型紙を乗せるだけで型がとれます。
また余り布で作る場合も、足りるのかどうかが型紙を当てるだけで瞬時にわかるので便利。実はティッシュケースを作ってみようと思ったのは、実に3年ぶり。
3年も前に作ったもののサイズなど覚えているはずもなく、いざ作ろうとしたらソーイングレシピを引っぱり出して、何センチ×何センチだったっけ?とそこから始めなければなりません。
でも以前作っていた型紙があったので、取りあえずサイズを把握してなくてもすぐ取り掛かれました。
…と、型紙の話だけでこんなに長くなってしまいました。
準備編:布の裁断
端の処理をかがり縫いで行う場合は、縫い代込みの22cm×15cmでいいですが、袋縫いの場合+3cmの22cm×16cmの型紙を作っておきます。
型紙を布に当ててチャコペンシルで縁をなぞり、裁断します。
How to make
ちょっと長い動画ですが、早送りでみていただければ…と。
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1
両端を三つ折りにする
16cm長さのほうの両端を1cm幅の三つ折りにして、アイロンで型をつけます。
2
並み縫いする
ずれないようにまち針でとめて、並み縫い(ぐし縫い)をしていきます。
3
デザインを決める
両端を縫ったら、布を半分に折って、両サイドを中心に向かって折ります。
ワンポイントにしたい布を置いてみて位置を決めます。
今回淡いピンクのリネンの余り布があったので、そちらを使いたいと思います。
サイズはお好みで決めていいです。ハギレも正方形ではなく、斜めにカットしたものでも面白いかも。
こちらは4cm×3.5cm程度のハキレを使ってみました。
位置が決まったら、あらかじめステッチするところにチャコペンシルで線を引いておきます。
ここは、自然な風合いを楽しみたいなら線を引かずそのままちくちく針を進めても全然OK。
刺し子の心得がない私は、我流でテキトーにやっておりますが、線を引いていたほうがなんとなく仕上がりもキレイ。
ところが100均で買った消えるチャコペンシル。時間が経つと線が薄くなっていくんですね~。
老眼のため針に刺し子糸を通すのにもたもたしていたら、すっかり線が薄くなってしまいました。汗
薄っすら見えるチャコペンの線をなぞりながらステッチです。
しばし、好きなBGMでも聞きながらちくちく針仕事の時間…。
チャコペンで引いた線が何の役にも立っていないという…
まさに素朴な仕上がり。
いいんです。これが手縫いのだいご味。(言い訳)
素朴なのはいいんですが、ここで1点だけ注意が。
縫っていくときに、つど布をしごいていかないと、布がぎゅっと縮こまってしまいます。
刺し子素人の私が感じたのは、一回、一回、針を通すよりも、まとめて何目が一度に針を刺して縫っていくほうが、キレイな直線になります。しかしその都度布をしごいていかないと布がつれたり、たるんでしまいます。
ここだけ注意してね。
布を当ててステッチした反対側に、布を当てず赤い刺し子糸でステッチをしたいと思います。
ステッチするところにチャコペンシルであらかじめ線を引いておきます。
両脇1.5cmくらいのところは袋縫いして隠れる場所なので、それを配慮して線の長さを決めます。
ワンポイントのステッチができました。
ここでさらにティッシュ取り出し口にステッチを入れてみてもカワイイ…かも。
アイキャッチ画像(トップの画像)に、取り出し口にステッチしたもの(画像右下)も載せていますが、普通のステッチではなく、クロスにしてみたりと、遊びを入れても楽しい♪
クリックした方、ごめんなさい。トップに戻ってしまいましたね(笑)
気を取り直して続きおば…
4
端の始末
【袋縫いのしかた】
袋縫いをしていきます。
まず表面を表にして折り曲げます。(※中表ではありません)
両端をまち針で止めて、端から0.5cmのところを並み縫いしていきます。
両脇を縫ったら、取り出し口のところからひっくり返します。
ひっくり返したあと、端を目打ちなどでキレイに出し形を整えたら、両端それぞれ1cmのところを並み縫いします。
並み縫いするときに、縫いはじめ、縫い終わり、取り出し口のところは返し縫いをして強化しておきます。
ひと針縫ったら同じ個所をもうひと針縫う
取り出し口のところから再度ひっくり返し、形を整えます。
【袋縫いで仕上げたもの】
袋縫いすると端がむき出しにならないため、キレイな仕上がりに。
細かなことですが、こだわるなら袋縫いがいいですね。
【かがり縫いで仕上げたもの】
こちらはかがり縫いで仕上げています。
見えないところなのでかがり縫いでも大丈夫という方は、22cm×15cmで型紙をとりましょう。
かがり縫い
玉結びを2枚の布の間に入れ、手前の布の表に針を出し、針を布の裏に回してななめに針を刺し表に出します。このくり返しで、糸で布端を巻くように縫い進めていきます。
5
ステッチを入れる
お好みでワンポイントとして、取り出し口の端にステッチを入れましょう。
ここは好みでいいですが、余り長くするとティッシュペーパーが入れにくくなります。
糸の色も好みで好きな色で遊んでみても楽しいですね。
最後にアイロンで形をととのえたら、手縫いのティッシュケースのできあがりです。
今回、参考にした書籍は、
「ハギレでたのしむ布こもの」
こちらで刺し子ステッチのアイデアをいただきました。
デザインがステキなので見ていてワクワクします。
ただし残念なことに詳しいステッチのやり方の記載がなく、ズブの初心者が疑問に思う針の進め方や糸の始末といったことが説明されてませんでした。
手芸本全般に入れることですが、やはり誌面の関係で詳細に書けることが限られているのか、ざっくりとした説明が多い傾向。
ここから湧き出た疑問点を書籍やネットなどで拾い上げて理解していくわけで、なかなかこれ1冊ですべて完結というわけにはいかないですね。
けっして、この本がダメと言っているわけではなく、どの手芸本も作り方の説明は初心者向けではないものが多いように感じます。
そこでさらに詳しく知りたいときには基礎編などの書籍に目を通すことが必須となります。
刺し子について知りたいときに
「ちくちく楽しむ糸あそび日々の刺し子こもの」を参考にしました。
最近ではYouTubeでも詳しく説明している動画も増えたので、ほんといい時代になりましたね。(そういうと昔の人のように聞こえますね、私が若いころは…みたいな)笑