アイランドキッチンは未だに人気のあるキッチンシステムのひとつです。
その理由に家族と一緒に調理しながらコミュニケーションが取れる、友人を招いてホームパーティーを開けるといったことがあるのではないでしょうか?
狭くても可能なアイランドキッチンはあるのでしょうか?アイランドキッチンについてみてみましょう。
Contents
アイランドキッチンとは
アイランドキッチンの概要
アイランドキッチンとは、名前のとおり 「アイランド=島」
流しや調理台など機器の一部、または全部を壁面から離してキッチンの中央に配置します。
キッチンと壁が接する部分がなく、島のようにみえることからアイランドという名称で呼ばれています。多人数で料理したり来客時に効果的な演出ができます。
アイランドキッチンの歴史
アイランドキッチンの歴史は古く、150年以上も昔のキッチンではPreparationTableと呼ぶ準備作業台がアイランドとして設けられたり、ストーブレンジをアイランドに配置するキッチンなどがありました。
また、食卓テーブルよりも低い60センチ程度の高さしかありませんでした。
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画像は1976年ドイツPoggenpohlのブレックファーストカウンターつきのアイランドキッチンです。
1978年アメリカのキッチンは銅板を叩き仕上げしたブーツ型のレンジフードが人気があり、アイランドキッチンのシンボルとなりました。
ミニマルデザインが話題を集めた1982年は、シンプルなキッチンが人気でした。
1991年には、イタリアBoffiのペニンシュラーキッチンが登場。日本のキッチンデザインにも大きな影響を与えました。
日本では、トーヨーキッチンが初のアイランドキッチンを2001年に発売したのが始まりです。
アイランドキッチンのメリット
アイランドキッチンのメリットの一番はなんといっても開放感があることです。
視線を遮る物が近くにないのでキッチンとは思えないほどの開放感があります。
さらに壁がなく島のようになっているので、キッチンの周りをグルグルとまわることができます。これを回遊型と呼びます。
実際にダイニングテーブルへ料理を運ぶときなど、自由に最短距離で移動できるというのはかなり使い勝手がいいものです。
また、開放感があるので人とコミュニケーションをとるのも簡単です。料理をしているときにも孤立することがなく、誰かと会話を楽しみながら調理をすることができます。
作業スペースも広く家族で料理するときもアイランドキッチンは便利です。
アイランドキッチンは料理教室のように複数人が集まって調理をしたり、調理の様子を見せたりするのに適したレイアウトとなっています。
そして基本的におしゃれ。
どのキッチンメーカーもアイランドキッチンは上級グレードに位置し、おしゃれなキッチンが多いのが特徴です。家の雰囲気に合わせて選ぶのも楽しいですね。
アイランドキッチンのデメリット
アイランドキッチンは圧倒的な存在感がありますが、それだけ存在感のあるアイランドキッチンを設置するにはかなり広いスペースが必要になります。
LDKでキッチンが占める割合が大きくなりがちのため、キッチンにある程度の広さを必要とします。
またアイランドキッチンの開放感の裏返しとして、油はねやニオイも部屋に広がりやすくなってしまいます。
そのためコンロの前にはオイルガードを設置したり、換気扇はパワーの強いものを設置しなければなりません。
さらにはアイランドキッチンの場合手元が丸見えです。
キッチンの上を常にキレイにしておかないと、せっかくのアイランドキッチンなのに生活感が丸出しの残念なキッチンに…。
そしてキッチンとしてはかなり高価な部類に入ります。
そのため憧れだけではなく、使いこなせるかどうか、いつもきれいにしておけるかどうかをよく検討したほうがいいですね。
アイランドキッチンの実例集
素敵なアイランドキッチン
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LDKの一体感や開放感はもちろんキッチンを囲む動線を多くとれることも特長です。
キッチンがLDK全体の主役となり、自然にコミュニケーションの中心となります。
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アイランドの自由度を活かし、LDKの中心にキッチンをレイアウトしています。
一体となった空間で家族や友人と過ごす時間を楽しみながらお料理できます。
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廃材を利用したようなキッチンパネルはそれだけで格段におしゃれ度がアップ。
カウンターバーのようにして使用すれば調理をしながら会話を楽しむこともできます。
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毎日のキッチンでよく使うベースキャビネットは、収納容量を増やすだけではなく使いやすさにも配慮しオーブンなどワンポイントで見せる収納にするとすっきりします。
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上質な家具のような美しいオープンキッチンは、カウンター下やオープンな取り付け棚など、収納力も抜群で言うことなしです。
階上とつながっているため、スムーズに移動でき無駄な動線がないことも特徴です。
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アイランド+I型キッチン
背面にI型の業務用シンクを設置することで、アイランド部分は完全に作業台として使用できる贅沢な作りです。
通路も広々しているので複数人での分業も思いのまま。広々としたアイランドの作業台はみんなでわいわい集まってのホームパーティや、ちょっとした料理レッスンにも最適です。
つくるのも食べるのも楽しいキッチンスペースです。
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ミラーガラスをアクセントにした贅沢なスタイリッシュデザインです。
トップライトがキッチンをおしゃれに演出。解放感あふれるスペースです。
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キッチンをアイランドにして横に食卓テーブルを配置したレイアウト。
調理後そのまま配膳でき家事が効率よく進みます。背面のオープン棚もセレクトしたキッチン家電などディスプレイすればおしゃれで実用的な空間が実現できます。
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ホワイトを基調として挿し色に寒色を持ってくるとセンスのいいキッチンになります。
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アイランドキッチンだから家事動線も自由自在。
主婦目線で考えるならば、炊事、洗濯、掃除をいうのは、あまり動き回らなくていい設計のほうが格段に便利です。
調理をしながら、洗濯。洗濯が完了したら干すという毎日繰り返される動きは少しでも効率のよいものにしたいですね。それは水まわりをまとめることによって解消されます。
アイランドキッチンのサイズは?
使いやすいキッチンの高さ
キッチンの中で高さは非常に重要な要素になってきます。
長時間の作業が続いても疲れにくいワークトップの高さや、キッチン機器の高さ、収納の高さなどすべては使う人の身長が基本となります。
平均的な寸法で作られているメーカーのキッチンも自分なりの身長に合わせて見直してみると、さらに使いやすさが増します。
まずキッチンの高さ寸法の決め方の説明です。
単位(mm)
身長 | 目の高さ | 最適なワークトップの高さ |
1450 | 1350 | 770 |
1500 | 1400 | 800 |
1550 | 1450 | 830 |
1600 | 1500 | 860 |
1650 | 1550 | 920 |
1700 | 1600 | 920 |
1750 | 1650 | 950 |
1800 | 1700 | 980 |
自分の伸長と目の高さに合わせてワークトップの高さを決めます。
ワークトップの高さとシンクトップの高さは同じが理想です。
シンクの深さは約200mmですから、家族数が多くシンクでの作業が長時間かかり、かがむ姿勢が続くことが多い場合は、ワークトップ高さを上の表の基準より30~50mm高くするのも良いでしょう。
コンロの高さ
単位(mm)
最適なワークトップ高さ | ガスクッカー最適高さ | IHクッカー最適高さ |
770 | 650~700 | 750 |
800 | 700~750 | 750 |
830 | 700~750 | 800 |
860 | 750~800 | 800 |
890 | 750~800 | 850 |
920 | 800~850 | 900 |
950 | 800~850 | 900 |
980 | 850~900 | 950 |
ガスコンロはゴトクの高さが35~45mm位あります。
また加熱調理作業はワーク トップより少し低くめの高さが腕が疲れにくいため、ワークトップより100~150mm位下げるほうが使いやすくなります。
コンロの高さに関係するのがレンジフードの高さH寸法です。
コンロのトップ面から800mm以上~1000mm以下という寸法が、消防法と建築基準法で決められています。
コンロの前面までを覆うレンジフード の奥行寸法とも関係しますが、身長に対してレンジフードの高さが低すぎると調理作業中にオデコが当たることもあるので注意が必要です。
また、実際に使える吊り戸棚の位置(高さ)は、1800mm以下に設置しましょう。
身長が高い方なら2000mm位まで手は届きますが、1800mm高さ以上の収納は脚立を使う必要があるため、利用頻度の高い調理機器や食器などの収納はオススメできません。
ワークトップから吊り戸棚の下端までの寸法が450~750mmでは吊戸の奥行きの寸法を浅くすると、作業中に頭部が吊戸に接触する心配はありませんが、奥行きは食器や調理道具を収納できる内法有効寸法300mmを確保する必要があります。
使いやすいキッチンの広さについて
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ちょうどいい使い勝手のいいサイズとは、どれくらいなのでしょうか?
ワークトップの間口と奥行きの寸法 ・準備スペース30~75cm・シンクスペース60~120cm ・調理スペース60~90cm ・盛付けスペース30~90cm。
十分な広さがなければ準備スペースは犠牲にしても盛付けスペースは何とか確保したいものですね。
実は人間工学的に成人女性の通常作業域の奥行き30cm、最大作業域の場合は50cmが目安とされています。
左右の幅は両手を伸ばした場合の両手間で約150cmとしてキッチンの奥行き、幅寸法が決められています。
現在では、、ワークトップの奥行きは65cmが主流になっていますが、最近では更に深い奥行きの70cm~75cmのシステムキッチンも登場しています。
アイランドキッチンの理想は ずばり7.5帖
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アイランドキッチンの間取りとして、キッチンの左右両方にダイニングとつながる通路があるダブルアクセス型がベストです。
使い勝手、動線的にも利便性が高いので、間取りに余裕があれば採用したいレイアウトです。
キッチンの背面には、食器棚と冷蔵庫スペースを確保します。そうすると理想のキッチンに必要な広さといえば、ずばり7.5帖となります。
その根拠は、
- キッチンのサイズ
一般的に2550mmのシステムキッチンであれば十分です。
- 食器棚+冷蔵庫
ここはキッチンサイズに合わせて2550mmになります。
- 作業スペース
750mm~900mmと言われていますが、人が通ったり、しゃがんだりすることを考えると1000mmは欲しいところです。
- 通路の幅
780mmです。廊下の幅は最低750mmと法律で決まっています。
それに冷蔵庫を運びこむことを考えてこの数字になります。
4.5帖のキッチンスペースでアイランドキッチンは可能か?
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アイランドキッチンのメリットとして開放的なことを挙げました。
しかし、その開放的な空間を維持するには、それなりのスペースが必要となりそれがデメリットとなる場合もありました。
日本の住宅事情ではそんなに広いスペースの確保は難しいとされているからです。
一般的に言われているのがアイランドキッチンを成立させるのは、最低でも6帖、理想的には8帖のキッチンスペース、または先にのべた7.5帖が必要とされています。
家族数の少ない世帯や、定年後にキッチンリノベーションを検討している方々など、4.5帖のスペースで理想のアイランドキッチンは計画できないものでしょうか?
実はレイアウト次第では可能なのです。
まず、これからのキッチンに必須アイテムといえる食品庫、冷蔵庫、60cm幅ビルトイン食器洗い機、食器棚、バックカウンター作業台、60cm幅ビルトインガスオーブン、調理家電収納庫などをアイランドキッチンの壁面にレイアウトします。
アイランドキッチン部分には45cm幅のシンクとガスまたはIHのクックトップ、60cmの作業台を確保します。ベースキャビネット部分には調理道具類の収納庫を確保します。
ポイントは食器洗い機をアイランド部分に組み見込まず、バックカウンター下に組み込んでいることです。
それによって、シンク側を向いたままで、食器洗い機のバスケットを引き出して、食器を並べることができます。また洗い上がった食器はそのまま上の食器棚にしまうことができます。
人が通れるための最小寸法は750mmを確保が望ましいです。
そうすると1,800mm幅のアイランドキッチンでは3,300mmの有効幅、約2間の間口が必要となります。
どうしても、1.5間間口のキッチンスペースしか確保できない場合は、アイランドの片側を壁にくっつけて、ペニンシュラー(半島)型キッチンを計画するなどしてみてもいいでしょう。
Note
キッチンは女性が家で過ごすのに一番の憩いの場所となるところ。
開放的な空間で気持ちよく毎日のお料理を楽しみたいものですね。
特に広い空間がなくてもカウンターを置いてアイランド形式にするなど、ちょっとした工夫で暮らしにバリエーションを持たせてみましょう。
きっと明るい笑い声が絶え間ない空間となることでしょう。