牛乳石鹸は身体だけでなく洗顔もできるマルチアイテム。
本当に洗顔ができるのか、使用後も大丈夫なのか検証してみた記事がこちら。
身体洗いはもちろんのこと洗顔ができるのなら、もしかして食器洗いもできるのでは?
私は主婦湿疹(手湿疹)持ちのため、食器洗い洗剤を素手で触ることができず、ゴム手袋なしでは作業できません。
調理中などいちいちゴム手袋をつけたり外したりするのは少し不便なときもあります。
そんなとき石けんで洗うことができたら効率よく作業ができるよね……ということで食器洗いができるのか検証してみました。
Contents
牛乳石鹸で食器洗いはできる?
結論から言うと、牛乳石鹸で食器洗いはできます!
むしろ食器洗い洗剤で洗うより、汚れ落ちがいいような気がしました。
しかも素手で洗うことができるため、汚れ落ち具合をダイレクトに確認することができます。
ゴム手袋を装着した場合だとこの感覚が掴めず、いちいち外してから確認しておりました。
また油ものを洗うと、ゴム手袋にも油分が付着してしまいネチャネチャして、その手で洗い物を触るとそれもネチャネチャするという悪循環。
なので油洗い用と軽い汚れ用にゴム手袋をわけて使用するという面倒なことをしていたのですね…。
╮(︶﹏︶”)╭ヤレヤレ
それが石けんだと見事に解消。
これは私自身も目からウロコでした。
ただ、石けんで食器洗いする際は洗い方にコツがあります。
まずは石けんの特性を知っておくことが大切です。
石けんの特性を知ってうまく利用しよう
石けんは食器洗い洗剤などに配合される界面活性剤とは違う特性があります。
まずはそこを理解しておくと、効率的な使い方ができるようになります。
- 薄まると汚れを手放す
- 酸に弱い
- ミネラルに弱い
- 冷水では溶けにくい
石けんは上記の条件では界面活性作用が簡単に失われてしまいます。
界面活性作用とは、油脂と油を混ぜわせる力のことをいい、浸透作用、乳化作用、分散作用の3つが総合的に働いて衣類や食器の汚れを落とします。
界面活性作用が失われるということは、洗浄能力が低下して石けんの体をなさないのでは?と疑問に思いますよね。
ところがこの欠点が利点でもあるのです。
まず、皮脂を取り過ぎないので肌荒れを起こしにくくなります。
界面活性剤は油脂と水など混ざり合わないものの表面を変質させる性質があるため、皮脂膜の性質も変えてしまい、肌の上に界面活性剤をのせた状態が長時間続くと、皮脂膜がどんどん薄くなり肌が弱くなってしまいます。
これが私が直接手で触れない最大の理由なんですね。
ところが石けんは水でさっと流せばもうそれ以上皮脂を取ることはないので肌荒れしません。
牛乳石鹸を皮膚科で勧められる理由はこんなところにあるのですね。
また、使用後に排水した石けんは短期間のうちに水と二酸化炭素に分解され、カルシウムやマグネシウムなど水中に含まれるミネラル分と結びつきます。
これが海や川にいる微生物のエサになり、生態系にリサイクルされます。
石けんは、浄化槽のバクテリアや水生生物に悪影響を及ぼさず環境にやさしいといわれる理由はここなんですね。
これらの利点を踏まえ、石けんの特性を具体的にみてみると……
薄まると汚れを手放す
石けんはある程度以上の濃度が必要で、これを下回ると汚れを捕まえる力が失速します。
なので石けんで洗った食器などを水で満たしたたらいの中に入れると途端に界面活性作用がなくなり、水中に汚れが漂い出てきます。
せっかく洗った食器類にその汚れが付着するので洗っても洗ってもきれいになった気がしません。
石けんで食器洗いして落ちないと言っている方はこのような洗い方をしているのかもしれませんね。
石けんで洗った食器類はアワアワのままシンクの隅によけておき、一気に流水ですすぎましょう。
酸に弱い
アルカリ性の石けんは酸性の物質によって中和され洗浄力がなくなります。
食器についた汚れのほとんどは酸性ですが、中でもマヨネーズやケチャップ、ソース、ポン酢など酸味のあるものは石けんの大敵。
これらのものに直接石けんの泡をつけるとなかなか汚れが落とせないため、下処理が必要です。
- 古布や野菜のくずなどで拭き取っておく
- スクレイパーやゴムベラでかき落としておく
- 水で予洗いする
ミネラルに弱い
石けんは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムに溶け、身体などを洗ったときに出る皮脂汚れと結びついて「石けんカス」ができます。これが金属石けん。
よくお風呂などで見かける白っぽい石けんカスがこびりついたものが金属石けんなのですね。
金属石けんは水に溶けない性質があり、浮かび上がってきます。
水の硬度が高いと石けんが金属石けんになり使いづらくなります。
ただ日本の水道水は海外ほどミネラル分が高くないので普通通りに使用して問題ないのですが、地域によって水道水の硬度が高いところもあるようなので、うまく落とせないこともあります。
冷水では溶けにくい
石けんの原料である脂肪酸は20℃以下の冷水には溶けにくい性質があります。
石けんが溶けなければ洗浄力も発揮できないため、食器洗いをする際は20℃以上に保つことが必要。
特に冬場の水道水は20℃を下回ることも多いため、給湯器の温度を20℃以上にしてお湯で洗うようにしましょう。
参考石鹸百科|これだけは知っておきたい石鹸の特性
洗い方のコツ
では牛乳石鹸で食器洗いをするときのコツ。
前述した内容とかぶりますがコツはこの3点。
- 事前に汚れを拭き取る
- 予洗いする
- ためすすぎをしない
事前に汚れを拭き取る
マヨネーズやソース、油分のあるものは事前に古布で拭き取っておきます。
我が家では使い古したタオルを16等分くらいに細かくカットして常備しています。
予洗いする
石けんで洗う前にザっと水で予洗いしておくと作業が楽になります。
ためすすぎをしない
石けんで洗った食器は水を溜めたたらいの中に入れず、シンクの隅に置いておきます。
水を溜めたたらいの中に入れると、せっかく洗った食器に浮かんできた汚れが付着して残念なことに。
とりあえず全部洗っておき、まとめて流水で洗います。
検証:洗いやすいものは
石けんで食器を洗う場合、洗浄力をいかに高めるかがポイント。
そこでモコモコの泡で洗うためにどんなものが適しているのか検証してみました。
- ナイロンスポンジ
- スコッチブライト・パワフルネット
- あみたわし
- アクリルたわし
スポンジ
厚みのあるキッチンスポンジは泡立ちもよく2~3回手で揉むだけでフワフワの泡ができました。
特に問題なく洗えます。泡立ちもよくて洗いやすい印象。
スコッチブライト・パワフルネット
スコッチブライトのパワフルネットは、細かい編み目のネットが帯状繊維のエッジとなっていて、汚れを次から次へとかき落とす工夫がされています。
とても使いやすく、我が家ではコストコでまとめ買いしています。
こちらも泡立ちがよく、使い勝手もよかったです。
ただ最初に石けんで泡立てるときキッチンスポンジと比べて泡立ちが少なかったように感じます。
あみたわし
1枚布になったあみたわし。これが意外と使いやすかったですね。石けんとの相性がよいかも?
泡立ちも特に問題なし。
スポンジのように厚みがないので、食器にフィットして洗いやすいです。
アクリルたわし
アクリル100%の毛糸で編んだアクリルたわし。
こちらは思ったほど泡立ちがない感じ。
ほかのスポンジと比べるとまったく泡が立っていません。
ただアクリルたわし自体が洗剤なしでそのまま洗えるというのが売りなので、特に泡立ちは必要ないのかも。
2022年10月追記
私はアクリルたわしを予洗い用として使っています。
油汚れのひどいものはボロ布や野菜くずで拭き取ったあと、アクリルたわしに少量石けんをつけ、ササっと予洗い。
そのあとスポンジを泡立てて洗うとスポンジがギドギドならずに済みます。
ちなみにこのアクリルたわしの編み方はこちら↓
これは人によって使いやすさが違うと思いますが、個人的にはあみたわしが一番使いやすく、次いで厚みのあるスポンジでした。
食器や鍋、調理器具など用途に合わせて使い分けてもよいですね。
2022年10月追記
ママ友がダスキン台所用スポンジもおすすめだから使ってみーとプレゼントしてくれました。
ダスキン台所用スポンジ&牛乳石鹼、すごくいいです。
食器洗いは赤箱?青箱?
赤箱と青箱の違いはスクワランが配合されているかどうかと香りの違いだけ。
うるおい成分のスクワランは食器洗いには直接関係がないですが、それを素手で扱うので手のためにはあったほうがいいかな?程度。
ただし個人的には赤箱のローズの香りが台所にはマッチせず違和感を感じます。
ジャスミンの香りの青箱のほうがキッチンには合うように思うし、青箱のほうが赤箱よりもリーズナブル。
身体や洗顔はちょっとお高い赤箱(と言っても100円ちょっと)、食器洗いは赤箱よりお安い青箱と使い分けています。
Note
牛乳石鹸で食器洗いができると知って、家事が楽になりました。
というのもゴム手袋を手放せなかった私。
調理中がちょっと厄介で、脱着を繰り返しての作業はいささか面倒くさい。
かと言って素手で食器洗い洗剤を触ると、そのあと強烈な痒みとともに水ぶくれとなり皮膚科通いを余儀なくされます。
顔や身体を洗っている石けんなら素手で扱ってもまったく問題なし。ということで石けんで食器洗いは私にとって画期的!
むしろ油汚れの酷いものを洗ったあとでもキュキュッとした感触をつかめ大満足です。
ただし使い方にいささかコツがあるためそれをちゃんとマスターしなければですね。