この記事は成人式を迎える本人というより、成人式を控えた女の子がいる親御さんに向けた記事です。
娘が成人式を迎える前になると、振袖をどうしようかとお悩みになるかと思います。
私自身も男・女・女という2歳違いの子どもが3人おり、長男が大学に入学した春に長男の女友達のママ友から成人式の振袖をはやくも購入したという話を聞かされました。
成人式まであと2年あるし、いくら何でも早くない?と思っておりましたが、最近では2年前から準備しておかなければならないようです。
一番上が男の子だったため他人事のように聞いていましたが、2年後には長女が控えている…と思い書いたのがこの記事。
実はこのとき、私はレンタル派だったのです。
しかし2年後を迎え長女が大学入学したころ、悩みに悩んで結局その秋に振袖を購入しました。
そしてその2年後の今年、コロナ禍の中、福岡市では無事成人式が執り行われ長女の晴れ姿をみることができました。
そして2年後にさらに次女の成人式が控えています。
購入したので次女にはその振袖を着せるつもりでいますが、果たして購入という選択肢はよかったのか、悪かったのか。
実際に購入した親の立場でこれから成人式の振袖をどうしようかと悩んでいる方に向けて、どうして購入にしたのか、結果どうだったのか、メリット・デメリットを暴露したいと思います。
冒頭で申し上げますが、購入したのは浜辺美波さんがイメージモデルになっている「京都きもの友禅」です。
その店舗を選んだいきさつなどもお伝えしたいと思います。
また、これは私が体験し感じたことなので、万人に共感してもらえるとは思っておりません。当然家族構成や環境など異なるので、参考にならないかもしれません。
しかし、購入かレンタルを検討する以前に何も知識がない方が、これからリサーチする中で、実際体験した生の声を見ることによって、後悔しない振袖選びができればと思い執筆しました。
前述しましたが、私には女の子が2人います。その上で購入を決めた背景がありますが、思わぬ事態もあり…。
興味があれば読み進めてみてください。
Contents
購入・レンタルにしても準備は2年前から
成人式の着物事情は年々早くなる
娘が高校3年生になったころ、続々と届く振袖カタログのDM。一体どこから個人情報を入手したんだ?と思うくらい、あらゆる店舗から鬼のように届きます。
実際のところピンと来ませんよね。
しかし2年前から準備を進めておくのには理由があります。
- 自分の好きなデザインを選べる
- 限定の柄をいち早くゲットできる
- 成人式当日の美容室(ヘアセット・着付け)の予約時間を希望できる
というメリットがあります。
そんなに焦らなくても1年前、半年前でもいいのではないか?と思いますよね?
しかし、
レンタルにしても、購入にしても人気のある柄は真っ先に売れてしまいます。
つまり1年前と2年前とでは選べる選択肢が限られてきます。
レンタルなら他の方の予約が入ってしまい借りれないというのはわかりますが、購入なら関係ないのでは?
しかし、反ものの数が決まっているため、大量に作れるわけではないのです。
そして一番のメリットは、提携店の美容室の予約時間。
2年前だとそこまで予約は埋まっていないため、希望の時間に予約を取ることができます。
これが差し迫れば迫るほど希望の時間は取れず早朝から着付けとメイクをし、成人式の式典までの長い時間を振袖を着たまま過ごさなければならなくなります。
これについては着付けを行っている美容室に直接予約を取り付ければいいという話ですが、これはもったいない。
なぜなら成人式の着付け・メイク・ヘアセットは20,000円~30,000円くらいと地域やお店によって価格の差はありますが、普段の着付けより割高になっています。
着物店の優待を受けることで安く、または無料ですることができます。
ちなみに長女がお願いした美容室は、着物店経由ではなく、紹介なしの場合23,000円(税別)とのこと。
長女は購入特典で無料でしたが、レンタルを選んだ場合も優待特典で多少は安くなります。
振袖を買うにしてもレンタルするにしても、着付けの予約は着物店経由で行うほうがお得です。
数店舗見比べて目が肥えてくる
最近は通販で振袖を購入することもできますが、結果的に通販で購入するにしても、一度は着物店に足を運んで実際の着物を見て、触ってみることをおすすめします。
私たち親子も3~4件ほど回って実際に着用してみました。その中でだんだん目利きするようになり、最後に足を運んだ「京都きもの友禅」に決めました。
購入とレンタルどっちがお得?
購入かレンタルかどっちがお得かと聞かれると、
一概には言えない
という答えになります。
なんだかアバウトな回答で申し訳ないのですが、実際そうなんです。
姉妹がいるかいないかでも違いますし、着物に愛着があり、行事のたびに袖を通したいと思っているかどうかによっても違うし、さまざまなシーンでいろんな着物を着てみたいと思っている方の状況によっても変わります。
お金持ちなら都度購入してもいいでしょうが、うん十万する着物をポンポン買えるようならそもそも購入かレンタルかなどで悩みませんよね。
ただ、いろいろリサーチして見えてきたのは購入もレンタルもさほど変わらない。
レンタルだから激安ではないところが多い、ということ。
普段の時期はともかく、成人式に限ってはレンタルも購入も価格の差はほとんどないといってもいいくらいです。
そして特典など合わせて考えると、購入のほうがやや優遇されているお店が多い印象。
ちなみに京都きもの友禅での購入とレンタルの特典を比べてみると…
購入 | レンタル | |
成人式当日の美容室予約 | ヘア・メイク・着付無料 | ヘア・メイク・着付無料 |
前撮り記念写真 | 最大3ポーズ無料・ヘア・メイク付 | 1ポーズ無料・ヘア・メイク・着付け無料 |
卒業式の袴レンタル | 無料 | 特別優待割引 |
確実に2回以上、袖を通すのなら購入がお得。
しかし1回こっきりのイベント料と割り切るならレンタルが手軽。
着物店の評判がよくない理由
私が長男の女友達のママ友から振袖を購入した話を聞いたときには、どのお店で購入したのかまでは突っ込んで聞いていませんでした。
彼女はそこのお店の担当者がよくしてくれたのでいい着物を選ぶことができ、購入してよかったと話していたものの、特にセールスや勧誘といったことは一切しませんでした。(京都きもの友禅には、お友だち紹介したらいくらか紹介料と称して商品券などいただけるシステムあり)
何度か成人式の振袖の話題になったときにはじめてお店の名前を聞いて、「京都きもの友禅」というのがわかりました。
福岡の中心、天神1丁目の福岡ダイヤモンドビルに店舗を構えるいかにも高そうなお店だ…という印象しかなく、私たちには無縁と思い、他いろんな店舗の視察を開始。
着物店によってはあの手この手で客を引き寄せるキャンペーンを行っており、長女が興味を示したのは、親と一緒に来場予約すると浴衣を1着プレゼントというもの。あわせてプロのヘア・メイクで着たいだけ振袖を試着することができるというサービス。
これには私も興味を示し、ヘア・メイクして振袖を着た長女の写真を撮りたくて同行。
当日、着物について長々と説明を受けたあと、いざヘア・メイクへ。プロの美容師さんが手際よくアレジメントヘアをしてくれ、メイクを施してくれました。
メイクさんは気さくな方で、髪の巻き方などいろいろ教えてもらいすっかりテンションもアップして、選んだ着物を試着。
そこでスマホで撮影しようと構えたところ、
「恐れ入りますが、撮影は禁止となっています。」
「…」←私たち
はあ?
可愛くメイクされ、晴れ着を来た姿を撮れない?
今日はいったい何のために来たのよ?
という気分になり、そこからテンションが急降下。
何枚でも試着OKとのことで次々、着物を薦められるが、着ても記憶にとどめておくしかなく、比較のしようがない。
これ、はじめから知っていればわざわざ時間とっていきませんでした。(きっぱり)
なんだかやられた感がすごすぎて、浴衣はちゃんとプレゼントされたものの選べるものが決まっているし、着物店の営業とはこういうやり口なんだな…と、ホイホイ特典につられて行くもんじゃないと身をもって体験。
次に行った着物店は、いかにもレンタルって感じのショップで、着物素人の私たちが見てもポリエステルの安物の生地でできたものが、ハンガーにずらりとかけられているだけの、まるで衣装付き写真館のような感じ。
ほかにも一旦中に入ると面倒な勧誘がありそう店舗は、さらりと店内をみて済ましたりと長女となかば疲れつつ、何日かに亘り着物店巡りをしていました。
大概疲れたときに、ママ友の話をふと思い出し、「京都きもの友禅」を尋ねてみることに。
そのときの記憶が定かでありませんが、ふらっと立ち寄り、「○○さん(ママ友)がここで買ってよかったと聞いたので、視察にきました」みたいな体で入店した記憶が。
京都きもの友禅で購入にした理由
長女と一緒に数店舗回ったことによって、そのお店の傾向や品質がなんとなくわかってきました。
そんな中、最後に立ち寄った「京都きもの友禅」の着物のグレードの高さは素人の私たちが見てもよその店舗とは違うと直観的に感じました。
そもそも京都きもの友禅は半世紀にわたり営業している老舗の呉服店。歴史があります。
そして気になるお値段も他店と比べて圧倒的に高いというわけではありません。
なにより長女の気に入った着物が多くあり、この店で選ぶことにしました。
レンタルか購入か迷いましたが、2回目の視察で購入することに決めました。
レンタル2回以上だと購入のほうがお得
成人式に限らず振袖を着る機会を考えたとき、卒業式、結婚式が頭に浮かびます。
卒業式は袴ですが、成人式で着た振袖の下に無地の袴を合わせる方が多いとのこと。京都きもの友禅で購入の場合、無地の袴だと無料でレンタルができる特典がついてきます。ワンポイントが入った袴だと優待価格でレンタルできます。
とすると、ここで2回は確実に着用が決まったわけです。
あと結婚式に呼ばれたときに着る機会があれば、断然購入のほうがお得になります。
そして姉妹がいる場合。
姉の振袖に帯などを変えて妹に着用させれば、購入した振袖は大活躍というわけです。
我が家は2歳違いの姉妹なので、購入のほうがレンタルよりも安くなるという結論に達しました。
購入のほうが特典が充実
京都きもの友禅でレンタルしてもさまざまな特典はありますが、ほとんどが優待価格での提供で、無料にはなりません。
ところが購入であれば、成人式当日のヘア・メイク・着付けが無料だったり、前撮りの写真が最大3ポーズ無料だったりとメリットが多いです。
レンタルも購入も少しの価格差であれば、購入を視野に入れて検討するほうがいいと思いました。
購入にしてよかった点
長女のテンションが上がった
京都きもの友禅の着物はすべて正絹で、品質は間違いありません。
数店舗視察したあとに京都きもの友禅の着物を見ると、素人目でみても品質の良さがわかりました。
また老舗の呉服店だけあって選べる着物の数が半端ありません。
ここは自分で決める前に担当者に、好きな色、好きな柄、イメージを伝えつつ、プロの目利きでその娘に似合う振袖を選んで着せてもらうのが一番。
スタッフはプロフェッショナルばかりで、もう何百人と接客しているので、瞬時で似合う柄をチョイスしてくれます。
そのときに薦められた振袖が、娘のツボに入ったようで、すごく気に入った様子。
その着物は雑誌にも掲載されたことがあり、すごく素敵。
値札を見て唖然…としましたが、割引ができる生地だったようでかなりお勉強していただけるよう。
そんなことから購入意欲が湧いてきました。
私たちは京都きもの友禅の天神店で購入しました。そのときの様子を詳しく説明しています。よろしければこちらもどうぞ。
思ったより着物の保管(メンテナンス)が楽
購入をためらっていた理由のひとつに保管の問題。
桐のタンスか、桐の箱を用意して保管しなければならないと思っていただけに、買ってしまうとメンテナンスが大変だ…という問題。
ところが、京都きもの友禅では着物の保管に特化した「きものエコキーパー」という着物保管袋があり、それに入れておくだけで着物の変色を防ぎ、カビ、湿気、害虫から守ってくれます。
虫干しをする必要がなく、入れっぱなしでいいということなので、私の購入したらメンテが大変という悩みはこれで解決。
お手入れの済んだ着物をそのままエコキーパーにいれておくだけでいいので手軽。
あとはしわにならないようそのまま寝かせて保管。
5年間何度でもクリーニング無料
京都きもの友禅で購入すると、成人式から5年間はクリーニングが無料になります。
期間内であれば何度でも無料なので、たとえば友人の結婚式で着用したり、ちょっと振袖を着てみたいという場合でもその都度クリーニングが無料になります。
我が家の場合は、2歳違いの姉妹なので、妹の成人式後のクリーニングも期間内なので無料でしてもらえます。
ここはポイント高かったですね。
姉妹の年の差が離れている場合、無料期間内にならないかもしれませんが、我が家の場合はその期間内に収まったというのも購入を決めた理由のにひとつです。
購入にして悪かった点
次女の好みの着物でない
長女の成人式が終わったあと、次女がぽつりと、
「私、緑の着物好きじゃないんだよね~。黄色系が似合うと思うんよね~」
と言いました。
え?だから試着のとき次女も連れて2人で試着して決めたじゃない?と思いましたが、
そのときの次女の気持ちを聞くと納得。
着物選びでなかなか二人が好きなものが合致しないときに、店員さんのアドバイスは
こんな場合は長女の好みや長女のサイズに合わせて作るのがベストということ。
採寸も長女のサイズをメインに、次女でも着れるような寸法にして作りました。
試着のときは、メインが長女なので別にいいか…という気分だったようです。
これは想定外で、次女の成人式の振袖をどうするか課題が残った結果となりました。
長女優先でなく三人でもう少しじっくり検討すべきだったと反省。
姉妹二人とも着物に興味があり、自分の好みがはっきりしていて、好みが分かれるようであればそれぞれに着物を購入してあげるか、またはレンタルにするかの選択肢も必要。
保管場所が必要
エコキーパーのおかげでメンテナンスは楽ではありますが、保管場所は確保しなければなりません。
振袖自体はそんなに場所を取るものではありませんが、付属で購入した髪飾りや履物、バッグやショールといったものが意外と場所を取ってしまいます。
クリーニング後の受け取りなど面倒
レンタルだと着たあとにそのまま返却すればそれでおしまいですが、購入の場合、クリーニングしたものを受け取りにいかなければなりません。
送料を支払えば自宅まで送ってくれますが、それをケチってしまい取りに行くようにしたので何気に面倒。
営業攻撃が少しある
レンタルを選んだとしても、多少の営業攻撃はあると思います。
これはどこの呉服店・着物店でも同じでしょう。
購入時に薦められたのが「友の会」の入会。
月々3,000円を1年間支払うことにより友の会価格で着物や小物が購入できるので次女のときに役に立つということで薦められました。
このときは試着から生地選び、採寸、会計と少し疲れていたので、ま、いいか…という具合で友の会に入会しました。
しかしのちほど商品券が送られてきたり、無料の展示会への招待状が届いたりと着物が好きな方であれば使えるメリットは多いと思いました。
京都きもの友禅は通販でも購入可能
これは個人的にショックを受けたのですが、成人式が終わり改めて京都きもの友禅のサイトを確認してみると、京都きもの友禅の公式オンラインストアでさまざまな着物が紹介されていました。
なんと私たちが購入した額の半値?いや4分の1?くらいの価格帯で売られているではありませんか!?
一例を挙げると、
振袖 フルセット 古典柄 Mサイズ 赤・ワイン系 (中古 リユース 美品) 10664の通販・購入
振袖表地のほか、袋帯・長襦袢・帯締め・帯揚・重ね衿・草履・バック・羽毛ショールがついて125,000円(税込)です。
一度袖を通したものは中古(リユース)品としての販売になるようですが、そこにこだわりがなければ正絹の着物が安く手に入るというメリットがあります。
リユーズといっても古着という扱いではなく、万全な管理体制のもと、厳しい検品をクリアしたものが商品として販売されています。
価格が高いものの中には仕立てあげたあと、一度も袖を通さない(つまり未使用)のものもリユース品としての扱いとなっているものもあります。
ただ通販の場合は実際に手に取って見れるわけじゃないので、個人的にはいきなり通販で買わず、一度くらい呉服店・着物店に足を運んで着物を実際に見てから決めたほうがいいと思います。
京都きもの友禅会社概要
会社名 | 京都きもの友禅株式会社 |
代表取締役 | 服部 雅親 |
所在地 | 〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町14-1 住友生命日本橋大伝馬町ビル |
電話番号 | (03)3639‐9191 |
設立年月日 | 昭和46年8月5日 |
事業内容 | 「振袖」を中心とした高級呉服・宝飾等の販売 |
資本金 | 12億円(令和2年3月末現在) |
従業員数 | 580名(令和2年3月末現在※嘱託・パートを含む) |
店舗数 | 49店(令和2年3月末現在) |
まとめ
ここまでつらつらと親の気持ちとして書き綴りましたが、一番肝心なのは成人式を迎える娘が満足のいく式を迎えられるかどうかです。
二十歳になったという心に刻むものがあれば、購入だろうがレンタルだろうがそれは大した問題ではありません。
娘が自分で選んだ振袖を着て、好きなヘアスタイルで式を迎えられたことで彼女にとって思い出深いものになったというのが重要です。
とはいえ、財布のひもを握っている私たちはできるだけいいものを安くしてもらえることが嬉しいと思っているんですけどね。(笑)
購入すれば手もとに着物が残り、いつでも着ることができ、お嫁入り道具のひとつとして持たせてあげることもできます。
レンタルの場合、成人式以外はそれほど高くないので、将来友だちの結婚式で何度か着る機会があればそのたび違う着物を楽しむことができます。
要は着物が自分にとってどのような立ち位置にあるかが重要で、それを起点に決めればいいと思います。
そして、着物を決めるときは通販もいいですが、一度店舗に足を運んでみて、実際に着物を手に取り、担当者からじっくり話を聞くことをおすすめします。