最近物忘れが激しくて困っていませんか?
携帯を取りに違う部屋に行き、ちょっと別の用事を済ませたら何しに来たかわからなくなって、別のものを持ってきてしまう…。
買物に出かければ、必要なものをリストアップしたメモを忘れてきたり、記憶を頼りに買物したら、メインのものを買い忘れたり…。
しばらく会っていない近所の方のお名前がどうしても思い出せず、気まずい思いをしたり…。
これって、加齢のせい?
もしかして、痴ほう症……???
しかし、高齢のみならず若い人でもこんな経験は多くあるもの。
そもそも病気による物忘れと、老化による物忘れは別もの。
もしかして、疲れすぎ?
脳にインプットすることが多すぎて、日常生活でのささいなことまで記憶装置が作動してないだけ?
脳のメカニズムを理解し、ちょっとだけ生活習慣を見直して脳内をリフレッシュしてみましょう。
物忘れを防ぐ効果的な方法
年を取ることによる「物忘れ」と、「病気による物忘れ」は違います。
笑いで済まされる程度の物忘れなら、なぜそうなるのか原因をつきとめ、生活習慣を見直せば改善できます。
もし、病気かも…と気になるようであれば、医師の診断を仰ぎましょう。
こちらに病院が開設した『認知症チェックリスト』があります。
気になる方はチェックしてみてください。
まずは睡眠時間をしっかりキープ
唐突ですが、一昨日(おととい)の夕食は何を食べましたか?
これ、意外とさっと答えられないものです。
そもそも脳内にはワーキングメモリーというものがあり、一時的な記憶をインプットしておく記憶装置があります。
記憶には短期記憶と長期記憶があり、ワーキングメモリーは短期記憶、パソコンで言う「メモリー」の役割をします。記憶を貯めておく海馬は長期記憶となり、パソコンで言う「ハードディスク」と言えばピンと来るのではないでしょうか。
ワーキングメモリーは脳の前頭葉の働きによるもので、短い時間のみの情報をインプットします。
ただ、ワーキングメモリーの同時に処理できる能力は大きくはなく、加齢によって衰えていくと言われています。
もともと情報処理量が多くはないので、古い記憶は常に捨てていき、新しい記憶をインプットします。
その記憶をインプットする期間は数秒から数日。どうりで、一昨日食べたものを思いだせないはずです。
私たち人間の脳は、常に不必要な情報は捨て、新しい情報をインプットしているのです。
そう考えると、忘れることは決して悪いことではありません。むしろ脳が適切な情報処理を行っている証拠です。
ところが、あまりにもうっかりが多くなってしまうのは、そのワーキングメモリーがフルに作動できず低下している可能性があるからです。
その原因は、ズバリ睡眠不足。
脳に情報をしっかり定着させるには、睡眠が大切。
脳は寝ている間に記憶の整理をしています。受験生が徹夜で勉強するのは、記憶を整理できず、集中力も落ちるので逆効果。
理想は毎日7時間睡眠を取ること。8時間と言いたいところですが、忙しい現代人はなかなか毎日8時間も睡眠時間を確保するのは難しいでしょう。
その場合、平日は6時間の睡眠でも、休日に8時間睡眠を取るなどしてリセットすることは可能です。
ただし、寝すぎは禁物。
寝すぎないように、毎日最適な睡眠時間を確保することが大切です。
昼寝も有効
オフィスワーカーであれば、昼食後に10分程度仮眠すると、午後からの集中力が高まります。
ぐっすり眠れてますか?良質な睡眠をとるためにやるべき快眠法にも述べていますが、居眠りのほとんどがノンレム睡眠。
少しの時間、居眠りするだけで脳がスッキリするのは、ノンレム睡眠で脳が休息できたからです。
とは言っても職場の環境にもより、昼寝ができないこともあるでしょう。
そんなときは、目をつぶって呼吸をするだけでも効果があります。
デスクに座り目を閉じて、鼻から大きく息を吸い込みお腹を膨らませ、1呼吸止めて、ゆっくりと鼻から息を吐きお腹をぺたんこにするヨガの呼吸を2~3回繰り返してみましょう。
夜納豆と卵を食べる
納豆は脳にとっても最適なパワーフードです。
納豆に含まれるレシチンは、記憶力を高めてくれ、ナットウキナーゼは血流をよくしてくれるので、脳内をスッキリさせてくれます。
そしてポイントは夜食べること。
血栓は寝ている間の深夜から朝にかけて作りやすくなります。血栓を防ぐナットウキナーゼが効果を発揮するのは、納豆を食べたあと2~8時間後。
納豆は夜食べると効果がある理由はほかにもあります。詳しくは、納豆を食べて免疫力をアップしよう。効果的な食べ方は?を参考にしてみてください。
また卵に含まれるコリンは、脳の神経伝達物質アセチルコリンの材料となり、ビタミンB16と組み合わせて摂ることでアルツハイマーや認知症の改善になることがわかっています。
アセチルコリンを摂ると記憶力がアップし集中力が増します。逆に不足すると記憶力が低下し例えば直近のことを覚えておけないという症状がでることがあります。
卵と納豆を合わせて夜摂るといいですね。
いつもと環境を変えてみる
脳に記憶を定着させるには、いつもと違った環境にしてみるのもひとつ。
例えば、勉強がはかどらないときは、思い切って部屋の模様替えをしてみる…とか、自室ではなくカフェなどに足を運んで読書や勉強をする…など、感情を揺さぶる経験をすることで、記憶を引き出しやすくなります。
声に出してTODOリストを言う
頭がいい人ほど独り言が多いと言います。かの天才、アルベルト・アインシュタインもそのひとり。
独り言をブツブツ話すことによって、ごちゃごちゃした考えを整理し、自分を納得させることができます。
「はい、お掃除完了!」
「玄関の鍵、かけました!」
「窓、閉めました」
など声に出して発することで記憶をインプットできます。
例えば、どうしても名前を覚えられない人は、何度もその人の名前を声に出して言うのが効果的です。
名刺交換したあとなど、会話の中に「〇〇さんは、どちらの出身ですか?」とか、電話の取次ぎのときでも「〇〇様へ折り返しお電話するよう営業に申し伝えます。」と名前を呼ぶようにします。
脳はくり返し復唱することによって、必要な情報だと判断し、長く記憶に残そうとします。
なかなか覚えられない人は、このように意識的に口に出すようにすると記憶に残ります。
物忘れを防止するアロマの香り
いい香りは幸せな気分にさせてくれます。同時にいやな香りを嗅ぐと不愉快な気分にさせらます。
これは脳が香りに対して敏感に反応するということに他なりません。
鼻から嗅いだ臭いは脳の大脳辺緑系(だいのうへんりょくけい)に直接伝わります。大脳辺緑系は、自律神経調節のための中枢的機能を持つ視床下部(ししょうかぶ)を調節する働きがあります。
過度にストレスがたまると、大脳辺緑系から緊張信号が出しっぱなしになります。視床下部に負担が蓄積され、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、自律神経のバランスが崩れます。
香りには自律神経のバランスを回復させる効果があることがわかってきました。
脳が疲れたな…と感じたら、意識的にいい香りを嗅ぎストレスを溜めないようにしましょう。
また、アロマの香りを嗅ぐことでうっかりを予防することができます。
脳若返り認知症予防アロマとして注目されているのは、ローズマリー・レモン・ラベンダー・オレンジのアロマオイル。
Note
最近物忘れが激しい…と感じるようになったら、自分の生活を見直してみましょう。
ストレスが溜まっていないか、頑張り過ぎていないか…。心がぽっかり空く出来事があったなど要因があることも…。
そんなとき、
・睡眠をしっかりとる
・ちょっとの時間でも仮眠する
・納豆と卵を夜食べる
・いつものルーティンを少しだけ変えてみる
・自分の行動を口に出して言ってみる
・心地よい香りを嗅ぐ
この6つのことをまずは試してみませんか?