かれこれ7年ほど前。
以前の職場の同僚から『カスピ海ヨーグルト』をおすそ分けしてもらいました。
彼女はそのヨーグルトをもう10年も植え継ぎしていて
お腹にもいいし、美容にもいいからと職場の同僚たちに配ってくれました。
そして約1年、その頂いた『カスピ海ヨーグルト』を植え継ぎしながら、
毎日せっせと食べておりました。
ほんとうに、1年1ヵ月、その種を増やしながら食べたのです。そのときのお話とヨーグルトについて語ります。
※これは私が体験したもので、万人にできるというものではありません。衛生上の問題もはらんでいますので、試す場合は慎重に、自己判断でお願いします。
Contents
ヨーグルトの植え継ぎは可能か?
結論:ヨーグルトは家で増やせます。
ほんとうに彼女はそのヨーグルトを10年近く育てていたのかどうか、今となっては交友がないので確認しようがないですが、実際私自身がそのおすそ分けしてもらった『カスピ海ヨーグルト』を1年1ヵ月、植え継ぎしながら食べ続けました。
今、思うとよっぽど上質な菌だったのか、管理がよかったのか不明ですが、自宅でヨーグルトは増やせるということを体験しました。
シンプルにつくれるヨーグルト
まず頂いたヨーグルトの半量は植え継ぎ用として専用の容器に移し、牛乳を入れて1晩置くだけ。残りの半分は食べる。
次は、1晩置いてできたヨーグルトを冷蔵庫に冷やし、食べる前に半量植え継ぎ用として取り分け、残りは食べる…。この繰り返し。
まったくもってシンプル。
ヨーグルトメーカーも使わないし、特に容器もこだわらない。
ただ、押さえておきたい3つのポイントはありますが…。
1.容器は消毒したものを使う
最初は調理用ボウルに作っていましたが、こんなに続くのならと、100均で同じ容器を2個揃えました。1つは発酵中のもの、もう一つは冷蔵庫に保存して食べる用として。
そしてヨーグルトを作る前に細心の注意を払ったのが、容器の熱湯消毒。普段ずぼらな私がこの点だけにはこだわりました。
と言っても、熱湯を回しかけ、決して布巾では拭かず自然乾燥させて使っただけですが…。
2.牛乳は成分無調整のものを使う
そして注ぐ牛乳にもこだわりました。
と言っても、お値段の高い牛乳というわけではなく、普通の牛乳。決して低脂肪乳、無脂肪乳や加工乳、乳飲料は使いませんでした。
それはなんらか人工的に加工されているものであって、本当の牛乳ではないからです。
分量については、ほぼ目分量。ヨーグルトの量に対して調整していましたが、それも発酵時間を少し多めにすれば、牛乳の割合がちょっとくらい多くてもちゃんと固まっておりました。
冬場は夏場に比べて気温が低くなるので、発酵時間を増やすなどの工夫は必要ですが…。
やっぱり、優秀な菌だった?
3.発酵させる時間は1晩
1年1ヵ月もの間、種を増え続けさせることができたのは、この発酵時間を厳守したから。そしてご臨終にさせてしまったのは、この発酵時間を超えて常温に置いてしまったから。
だいたい1晩置くと、翌朝には固まっています。そのまま冷蔵庫に入れて、夕方頂きます。そのときに次の植え継ぎの分を容器に移し、新しいヨーグルトを作ります。
ヨーグルトの植え継ぎで私が犯した失敗
その日、いつものようにヨーグルトの植え継ぎをし、台所の隅に置いていました。そのときは仕事や子どもの行事が立て込んでいて、バタバタしておりました。
ふと気づくと、3日間放置されたヨーグルトが…。
そのヨーグルトは、上澄みが黄色くなり、酸っぱい匂いが漂っておりました。
そのまま捨てるのもなんだか惜しい気がして、やるだけやろうと、状態がいいところだけ残して冷蔵庫に。
何日が様子を見ると、最初ツンとした臭いを放っていたものが次第にいつものヨーグルトになっていき、
臭いが消えたところで、口にしてみると、意外と違和感なく食べることができました。
助かった…。
そして、またいつものように、少しのヨーグルトで植え継ぎをしながら、徐々に増やしていきました。
でも、こんなことが1回ではなく、たびたびあり、1年1ヵ月経過後に、同じことをしてしまい、いくら何でももう限界かな…と思いそのヨーグルトを諦めました。
おすそ分けしてくれた同僚はすでに会社を辞めており、個人的なつきあいのない方だったので、再度いただくわけにはいかず、
また、おすそ分けしてもらった他の同僚たちも早くに失敗して継続していなかったので、分けてもらうこともできませんでした。
冷凍保存しても大丈夫と聞いていたので、少しは冷凍もしていましたが、それも使い果たしてしまい、幻のヨーグルトとなってしまいました。
ヨーグルトの植え継ぎの注意点
さて、今までのお話は私の実体験に基づいての内容でしたが、この方法をこの記事を読んでくださっている皆さまにおすすめするわけではございません。
リスクが高すぎます。
一番の問題点は、雑菌の混入。
目に見えにくい白カビの問題や、空中浮遊した菌の問題をはらんでいます。
今回、私は粉末タイプの ケフィアヨーグルトを購入しましたが、植え継ぎは推奨していません。
また、『カスピ海ヨーグルト』の種を販売している フジッコ も1ヵ月ごと、最低でも3ヵ月毎に新しい種菌に取り替えることを推奨しています。
たまたま良質な種菌をおすそ分けしてもらったので、これだけ長く続いたのですが、やはり安全面を考えると、1~3ヵ月ごとに新しい種菌を使用して植え継ぎしていったほうがよいようです。
もし、お作りになるなら自己判断でお願いします。
今でこそ種菌は、ちゃんとしたメーカーが販売していますが、カスピ海ヨーグルトが流行ったころは人から人へおすそ分けしてもらうのが唯一の手段だったように記憶しています。
私が種菌を頂いたのは7年前の話ですが、その随分前から『カスピ海ヨーグルト』はひそかに話題になっており、その前にも一度別の方から分けてもらったことがあります。
当時はありがたさが分からず、すぐダメにしてしまったので、職場の同僚からおすそ分けしてもらったときは、今度こそちゃんと植え継ぎするぞ!と決意したところでした。
植え継ぎで増やす方法
では、植え継ぎで増やす方法を一応、記しておきます。私はこの方法で毎日ヨーグルトを作り続けていました。参考までに。
1
容器とスプーンを熱湯消毒します。(布巾では拭き取りません)
2
ヨーグルトの半量を容器に入れ、牛乳を注ぎます。ヨーグルトと牛乳の割合は1:10くらい。
3
しっかりフタをして常温(適温27℃)で一晩発酵させます。
4
冷蔵庫で冷やします。
5
冷えたら食べる前にヨーグルトを取り分け、①の過程に戻ります。この繰り返しを続けるだけ。
キッチンペーパーと輪ゴムでフタをするのはどう?
私が最初に教えられたのは、ヨーグルトの発酵を促すためには酸素が必要と言われ、フタをして密閉するのではなく、キッチンペーパーを上にかぶせて、輪ゴムで止めて一晩置くようにアドバイスされました。
最初はこのやり方で行っていましたが、きっちりフタをして一晩おいてもしっかり固まったので、途中からフタをして発酵させるようにしました。
菌の侵入を防ぐには、フタをしたほうがよさそうです。
ヨーグルトはいつ食べる?
一晩おいて、翌朝冷蔵庫に入れ、夕方食べると前述しましたが、
「え?ヨーグルトって朝食にたべるんじゃない?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
実は、ヨーグルトなどの発酵食品は朝食べても、もちろんいいですが、より効果を発揮できるのは夜食べることなのです。
腸がもっとも活動するのは夜22時から深夜2時までと言われています。
これを「腸のゴールデンタイム」と呼んでいるのですが、この時間にヨーグルトを摂取することによって、乳酸菌が効率よく体内に吸収され、腸内環境が整います。
翌朝、快適なお通じが促され、老廃物が排泄されて美容にも、そしてダイエットにも効果的です。
とは言っても寝る直前だと、カロリーを摂取し逆に太ってしまうこともあるので、就寝する2、3時間前に摂るといいでしょう。
ヨーグルトを食べ続けると便が臭くない
カスピ海ヨーグルトを1年1ヵ月、毎日摂り続けることによって、毎朝出勤前に快適なお通じがあり、なんとあまり臭くありませんでした。
これには驚きです。
以前、健康食品の講習会を受けたことがあり、そこで講師の方が面白い話を聞かせてくれました。
ヨーグルトを大量に消費する国に旅行に行ったときのこと。肥溜め(こえだめ)の前に立ったとき、あることに気づいたということです。
※肥溜めとは、農家その他で出た屎尿を貯蔵する場所
そのあることとは、自分が立っているのは、肥溜めの前なのに全然臭くない。
普通は肥溜めの前だと異臭で鼻がもげてしまうはずなのに、違和感なくそこに立っていた。ふと、ここって肥溜めよね?と改めて自分のいる場所を確認するくらい、臭いがなかったのに感動した…というお話。
それは、この国の人々が日々ヨーグルトを食べることによって、彼らの腸内には良質な乳酸菌が活発に活動していて、腸内の善玉菌が増え、結果腸内環境が整っていること。
そしてその排泄物には悪玉菌が少ないため異臭がしないということに他ならない。
おならが臭いのは、悪玉菌が原因。
規則正しい生活をし、ストレスを溜めず、乳酸菌を毎日継続して摂取すれば、おならの臭いがなくなるかも?
Note
今回は私が体験したことのご報告でした。なので、この方法でやったほうがいいですよ!という推奨記事ではありません。
植え継ぎしたいけど、どうしようかと悩んでいる方にとって、このような実例もあるということをお知らせしたかったまでです。
私が頂いた種菌はもしかしたら海の向こうから運ばれてきた本家本元のものかもしれませんし、まさか市販のヨーグルトで増やした?なんてことはないでしょう。
幸い1度もお腹を壊したりなどのトラブルはありませんでした。
種の状態がいいとこんなに長く持つものなんですね。しかし安全面を考えると1~3ヵ月くらいで新しいものに交換して植え継ぎしたほうが安心です。