脳梗塞で倒れ入院中に要介護4の認定を受けた父。
退院前にケアマネさんと綿密な打ち合わせをし、通所リハビリテーション(デイケア)に週2日通うことになりました。
父にとって退院後はどのような生活が一番なのか、どんなサービスを利用したらいいのかを考えました。
とはいえ、介護初心者の私たち家族は、デイケアとデイサービスの違いもわからない、どうやって探していいかもわからない。
そもそもどんな選択がいいのか、どれだけ費用がかかるのか…
ほんと、わからないことだらけ。
そんなとき強い味方となるのはケアマネさん!
父の状態にあったケアプランを立ててくださいました。
退院後の選択肢は2つ
高齢者が病気や怪我などで入院した場合、退院時に要介護状態になっていることもあります。
父は入院中に要介護4の認定を受けました。
退院したあと、自宅で生活するのか、施設に入居するのかの選択をしなければなりません。
介護サービスっていろいろ種類があってどれを選べばいいか迷いますが、
大きく分けると2つ
- 介護施設でサービスを受ける
- 在宅でサービスを受ける
家にいるのか、施設に入るのかの二択。
そこからさらにサービスの種類が分かれていきます。
父の場合、入院当初は経口摂取ができず、ずっと管が入ったままでした。
この状態が続くなら、自宅での医療ケアには自信がなく、施設に入ってもらうしかありません。
しかし5ヵ月強の入院期間中に、自力歩行ができるようになり、車椅子不要。
嚥下(えんげ)障害が残る可能性があると言われながらも、管が外れ、流動食となり、退院1週間前にはとろみなしで食事が可能となりました。
歩行と食事が普通にできるのなら、在宅での介護も家族が協力すれば可能です。
言語障害については意思の疎通ができないのはネックですが、本人がもどかしいだけで生活面では支障がありません。
これはリハビリしながらゆっくり回復すればいいし。
ということで、父の場合は在宅介護で通所リハビリテーション(デイケア)に通いながらリハビリをするという選択をしました。
通所リハビリテーションとは
通所リハビリテーションとは、デイケアと呼ばれる介護サービス。
要介護者が老人保健施設、病院、診療所などに日帰りで通い、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの専門スタッフによる「機能の維持回復訓練」や「日常生活動作訓練」などのリハビリが受けられるサービスです。
参考通所リハビリテーション - 厚生労働省
脳梗塞の後遺症がある父は、リハビリは退院後も継続する必要があります。
特に言語障害については継続的なリハビリは必須です。
そこでケアマネさんが※言語聴覚士(ST)が常勤している施設を探してくれました。
※理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は施設によって常駐していないところもあります。
当初検討していたB施設は、入浴介助がなく、家から少し離れた場所でした。
送迎があるので施設の場所はそれほど問題ではありませんが、入浴介助がないのは痛い…。
ケアマネさんが他にいろいろ当たってくれたなか、
父が通っているT病院のデイケアに空きが出て、週2日なら枠があるとのこと。
T病院は父が1回目の脳梗塞で倒れたときに搬送された病院です。
2回目の脳梗塞で倒れたときは満床で受け入れてもらえず、1駅先のK救急病院に運ばれました。
退院後もK救急病院で診てもらいたかったのですが、救急指定病院のためT病院へ戻されました。
私としては、1回目の脳梗塞からわずが2ヵ月後に2回目の脳梗塞を併発したのは1回目の治療が充分ではなかったのではないか、
わずか10日間で退院させて、その後の治療も正しかったのか、
ましてやかかりつけの病院にもかかわらず受け入れないとはどんなこと?という不信感があったのですが、K救急病院の主治医から、受け入れ拒否はあり得ることだと説明されました。
そして父はこのT病院に絶大な信頼を寄せています。
父は2回目の搬送を断られたという事実は多分知らないし、理解できないでしょう。いまさら話しても混乱させるだけなので言いませんが…。
話は脱線しますが、高齢者ってどうして自分のかかりつけの病院を変えることを拒むんでしょうかね?
父も母も、私の知り合いの老夫婦も決してセカンドオピニオンを持とうとしません。
今通っている病院さま、さまって感じで、納得いかない治療だとしても、こちらが他の病院でも診てもらったほうがいいよといっても「ふん」と聞き流されてしまいます。
脱線しましたが、
とにかく、T病院には父の脳梗塞の主治医がいるので、この上なく好都合。
ゆくゆく空きが出れば曜日を増やしてもいいということだし、ひとまずは週2日の通いが父の体力や心身的な面でも負担にならない妥当な回数ではないかと即決しました。
デイケアとデイサービスの違い
デイケアとデイサービスの違いは医療的ケアが受けられるかどうか。
デイサービスは、日中を楽しく過ごすために行くところ。
自宅から施設までの送迎があり、利用者が楽しめるように書道、陶芸、生け花などの趣味や、体操や運動したりなどのプログラムが用意されている、いわば老人専用幼稚園のような場所。
コミュニケーションをはかりながら楽しく過ごせるため閉じこもりや孤立を防ぐことができます。
また機能訓練もありますが、これは作業療法士などの資格を持たない人が指導します。
対してデイケアは、医師の指示のもとに行われるリハビリ中心のサービス。
医師や看護師、准看護師が常駐し、リハビリを専門に行う理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの専門スタッフが在籍しています。
父の場合は、言語障害がありコミュニケーションがうまく取れないので、言語聴覚士(ST)によるリハビリが必要。
なのでデイケアという選択になります。
デイケアの費用は1割負担
デイケアの費用は施設によって異なります。
また介護度によっても異なり、サービスを受ける時間数によっても変わります。
1回につき | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
1~2時間未満 | 336 | 395 | 426 | 455 | 487 |
2~3時間未満 | 380 | 436 | 494 | 551 | 608 |
3~4時間未満 | 483 | 561 | 638 | 738 | 836 |
4~5時間未満 | 549 | 637 | 725 | 838 | 950 |
5~6時間未満 | 618 | 733 | 846 | 980 | 1112 |
6~7時間未満 | 710 | 844 | 974 | 1129 | 1281 |
7~8時間未満 | 757 | 897 | 1039 | 1206 | 1369 |
・1単位10円とした場合 ※2021年4月時点
参考https://kaigo.homes.co.jp/manual/
単位で表されており、1単位10円が基本になります。
各介護度によって上限が違い、費用も一律というわけではないです。
介護度が高くなるにつれ、手がかかるので料金も高くなるのだそう。
またデイケアでの食事やおむつ代など適用外のものもあります。
父のプランは週に2回、朝8:30から9:30(曜日によってまちまち)までにお迎えに来て、夕方16:00過ぎには自宅に送り届けてくれ、祭日もお休みではありません。
このプランで11141単位。(2022年7月の計画表にて)
週2日1ヵ月通って12000単位程度。
負担する費用は12,000円くらい。
食費代は別にかかってくるけど、それはどこにいてもかかるわけだし…。
そう考えると介護保険って手厚い。
デイケアは家族にとってのレスパイトケアでもある
父を交えての2回目のミーティングが行われました。
ケアマネさん、福祉用具販売の担当者、母と私。
デイケアに週2回通う話になると、父の表情が曇りました。
ケアマネさん達が帰ったあと、おぼつかない口調で
いきたくないと訴える父。
手を横に振って否定の意思を伝えてきました。
父は喋ることができないため、真偽のほどは定かではありませんが、おそらく金銭面での心配をしていたようです。
実は父母には年金がありません。
( ̄◇ ̄;)エッ
かつて自営業だった父母は、今でこそ国民年金は加入義務がありますが、任意だった時期もあり、国民年金ではなく生命保険を選びました。
しかし時代の波に飲まれ、その生命保険会社が破綻。
引き継いだ保険会社では条件が合わずに途中で止めたようで生命保険も入らず、年金も0円という不安な老後となりました。
父が健常だったときに、ポツリと「年金もない自分はずっと生きていてはいけない」と呟いたことがあります。
そんなことはない!と全力で否定した覚えがあります。
おそらくそのことが父の頭から離れず、お金をかけてまでケアしてもらう必要はないと感じたのだと思います。
そこで母が父に啖呵を切りました。
「お金がない、お金がないって言うけど、私たち一生懸命働いてきたやない。あなたは家計簿の管理は一切してなかったやろ?家にどれだけの蓄えがあるのかも知らんのやろ?」
「うん」と頷く父。
「今まで働いてきた分、ちゃんと蓄えはあるんやから、不要な心配はせんでいいとよ!」
母、かっけー(*'▽')
「あなたがデイケアに行っている間、私だって自分の病院に行けるわけやし、もしその時間もなくなったら私だってストレスになるんよ!」
母は最近通いだした整形外科がお気に入りで、なんでも1時間くらいかけてマッサージだの電気をあてたりだの手厚い治療をしてくれるので、父のデイケアの日にバンバン予約を入れている模様。
母のこのひと言で父は納得し、週2日のデイケアへ通うことに。
(父は母の負担になることを極端に嫌う)
デイケアは利用者だけではなく、その家族にとってのレスパイトケアでもあります。
私にしても入浴介助を毎日となると、時間も割かれますが、週2日はデイケアでお風呂に入ってくるので、その日はオフと思うとちょぴり気分が楽になります。
父としては、自宅でまったり過ごすほうが楽なのかもしれません。
でもそうすると自力でのリハビリは限界があるので、回復も期待できないでしょう。
やはりプロの指導のもと、リハビリをするのが絶対にいいに決まっている。
今よりも自分の意思を伝えるようになって欲しいし、本人も言いたいことが言えないのはもどかしいでしょう。
今回の選択は、今時点でベストな選択なのではないかと思っています。
まとめ
脳梗塞で後遺症が残った場合、リハビリは必須です。
退院後も在宅で継続してリハビリができる環境は、デイケアか訪問介護になります。
訪問ケアもいいのですが、そうなれば母も当然立ち会わなければならず母自身の時間も割かれます。
父母お互いのことを考えるとデイケアが最善の選択だと思います。
父がデイケアに行っている間、母は自分のことだけに時間を使えます。
介護って頑張りすぎるのはよくない。
やってみてつくづく感じています。
お互いのためにも一人になる時間は必要…。
ストレスを全く感じない介護なんてないと思いますが、それを少しでも軽減できる手だてを模索していくことも大事。
介護は情報戦!
ある日突然脳梗塞で倒れた父。要介護4の認定を受け、約5ヵ月の入院を経て無事退院。
在宅で週2日デイケアに通いながらゆっくりと過ごすことにしました。
介護無知な私に降りかかる介護問題や、高齢の両親との暮らしを綴ります。