家計簿をつけていますか?
前回は、家計簿の必要性とつけ方のコツ、長続きする秘訣をお知らせしました。
家計簿をつけることに慣れてきたら、いよいよ本格的に家計簿から自分の家の収支を考えてみましょう。
家計簿がデータ化されていれば、何にどれだか遣っているのか把握することができ、分析することで対策を講じることができます。
それには「項目」を分類することが大切です。
「項目」はこう分ける
大まかすぎると
前回は家計簿に慣れていない方のためにザックリと分ける方法をガイダンスしました。
まずは家計簿に慣れ、継続してつけることが肝心なので大まかでもOK。
そこで慣れてきたら家計簿から自分の家の分析をしてみましょう。そのときに大まかすぎるときちんとしたデータが出なくなります。
だからと言って家計簿が面倒くさくなるわけではありません。
むしろ項目をしっかり設定し、何がどの項目に入るのかがしっかり把握できれば、逆に「これはどの項目だっけ?」と悩まなくていい分、スムーズにつけれるようになります。
細かすぎると
そうは言ってももあまりにも細分化してしまうと、家計簿をつけるのが大変になります。
例えば食費の項目を、
肉・魚・野菜・調味料・嗜好品…などと細分化してしまうと、つけるのも面倒ですし、分析するのもあまり意味がありません。
今月は肉より魚が多かったから、来月は魚をセーブしよう…
とはなりませんよね。
むしろ、今月は食費にお金を使ったので、来月はセーブしよう。
今月は日用品費が多かったけれど、安売りでまとめ買いしたので来月は少ない予算でOKなどとしたほうが意味のある家計簿になるのは言うまでもありません。
スマートな分類
項目については各家庭で細かなところは違ってきます。
ペットを飼っているお宅では、ペット費が必要になりますが、ペットを飼っていなければ必要のない項目です。
私はソーイングをするので教養娯楽費の小項目にソーイングを入れています。
このように各家庭それぞれ違うので、これが一番いい項目だ!というのはありません。
家計簿をつけていく中で自分に必要なもの、どう分けたいかを取捨選択していきながら決めていくものだと思います。
とは言っても、何から手をつけていいかわからないでしょう。
一般的な意見を総称し、また私が日々つけているなかでこう分けたらスマートだったというアイデアをご紹介します。
自分に必要なところだけ取り入れてくださいね。
今回はもっと使いやすいように更に細分化しています。ただし細分化といっても支出の大きな項目は15個だけです。
では具体的にみてみましょう。
収入の部
項目名 | 内容 |
給料 | 給料・ボーナス・残業代・出張旅費・その他の手当て |
その他の収入 | 健康保険給付・児童手当・懸賞金・サイドビジネス・所得税還付金・保険の満期金・家賃、地代収入・その他 |
投資収入 | 受取利息・配当金・売却損益 |
借金 | 借り入れをして手元に入ったお金・奨学金 |
給料については、夫婦共働きなら両方の収入でどれだけあるのかが把握できます。またお子さんがいるなら児童手当が入ってきます。
副業をしているならサイドビジネスの収入があります。
年末になると還付金もあり、医療費が年間10万円を超えると医療控除が受けられ還付されます。
また家主なら家賃、地代の収入があるでしょうし、ここも人それぞれです。
忘れてならないのが、借り入れをして手元に入ったお金や月々受け取っている奨学金も収入の項目になるということです。
その家にその月、どれだけお金が入ってきたか。入ったお金は収入として項目にあげます。
支出の部
項目名 | 内容 |
食費 | 食材・嗜好品(お菓子・酒・飲料水類)・外食 |
生活用品費 | 日用品・雑貨・衛生消耗品・電球・電池・文房具・美容院代・化粧品代 |
住居費 | 家賃・住宅ローン返済・管理費・修繕積立金 |
水道光熱費 | 上下水道代・電気代・ガス代・暖房機の灯油代 |
衣服費 | 衣類・かばん・アクセサリー・靴・クリーニング代 |
教育費 | 学費・塾代・参考書・クラブ活動・PTA会費・習い事 |
教養娯楽費 | レジャー費・スポーツ観戦・コンサート・映画・お茶代・飲み会・小遣い・書籍・雑誌・レンタルDVD |
交通費 | 定期代・電車賃・バス代・タクシー代・高速道路代 |
車両費 | ガソリン・自動車保険料・車検・車両メンテナンス費用・自動車税・洗車 |
通信費 | 固定電話・携帯電話・インターネット接続料金・NHK受信料・郵便料金・宅急便・新聞代 |
医療費 | 医療機関でかかった治療費・処方箋代 |
交際費 | 贈答品費・冠婚葬祭費・接待費 |
税金・社会保険料 | 所得税・住民税・固定資産税・社会保険料(健康保険・雇用保険・介護保険・厚生年金など) |
保険料 | 生命保険料・医療保険料・学資保険 |
特別費 | 耐久品費(家具・家電・自動車)の購入・臨時で発生する大きな支出 |
食費
食費と生活用品費を分けて項目を作っていますが、大項目の生活費の中に食費と日用品費があります。
敢えてここで食費と日用品費は分けて計上しているのは、月にどれくらい食費がかかっているかわかるからです。
つまりエンゲル係数がわかるわけです。
エンゲル係数(エンゲルけいすう、英語:Engel’s coefficient、ドイツ語:Engelsches Gesetz)とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のこと。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年の論文で発表した。
Wikipediaより
しかしスーパーで買い物した場合、食料品も洗剤も一緒に買いますよね。レシートをいちいち分けて計上するのは面倒です。
私は以前食費と日用品費は分けていましたがあまり意味をなさなかったので、項目名を生活費の中の「食費日用品文具費」として、スーパーで買ったものはまとめてひとつの項目で管理しています。
生活に必要なお金は食費だろうが、トイレットペーパーなどの日用品だろうが、必要なものは必要という考えからです。
住居費
住宅ローンや家賃などはこの項目になります。
分譲マンション所有であれば、管理費や修繕積立金がかかってくるでしょうし、一戸建てならメンテナンスや修理代などがかかってきます。
こちらについては家にまつわることの支出となります。
水道光熱費
電気・ガス・水道の料金です。
もっと詳しくつけるなら、電気なら何Kwh使っていくらか、ガスなら何㎥使用していくらなのか記載しておくと単価がわかります。
衣服費
洋服代や、アクセサリー、靴、バッグなどはこちらの項目に入れます。忘れてはならないのが洋服を維持するためのクリーニング代。
私は大項目を衣服費として、小項目に
- 洋服
- 靴・バッグ・装飾品
- クリーニング代
に分けています。
クリーニング代の中にはコインランドリー代も含めています。
交通費・車両費
ここはまとめてひとつの項目でもいいと思います。
しかし節約を考えている場合、車を所有することで年間どれだけの経費がかかるのか知るために敢えて車両費として項目を設けました。
従って、本来保険料の項目に入る自動車保険や、税金の項目に入る自動車税もこちらの車両費に振り分けています。
家計をダイエットするうえで車を断捨離(手放す)することもひとつの案です。年間いくらかかるかわかれば判断する材料になりますね。
教養娯楽費
ここでは、娯楽費と遊興費を分けて計上している方もいます。
娯楽費は、書籍・雑誌・レンタルDVD代
遊興費は、レジャー費・スポーツ観戦・コンサート・映画・お茶代・飲み会
小遣いについては別に「小遣い」という項目を設けてもいいと思います。
医療費
医療費の中に理美容代や洗顔・歯磨き用品などを含めている家計簿もありますが、私は医療機関で受けたもののみこの項目に記載しています。
というのは、
年間の医療費が10万円を超えると医療控除が受けられます。
そのときのデータとして分けて記載しておけば確定申告時の書類作成がスムーズです。
医療機関ごとに記載しておけばなおスムーズです。領収証の添付は必要なので必ず保管しておいてください。
※追記2018年の確定申告から医療費の領収証の提示は必要なくなりました。ただし各家庭で5年保存しておくようになっています。
ただ、厳密に言うと、病院までの交通費やドラックストアで購入した医薬品などは対象になるようなので控除を受けれそうなら該当するものはこちらの項目に入れておきましょう。
交際費
冠婚葬祭にかかったお金や新築祝い、結婚祝い、入学祝などこちらの項目に入れます。
私は冠婚葬祭と接待費で分けています。
接待費には飲み会や喫茶店でのお茶代、お土産を入れています。(その場合、上記に述べた遊興費と被るので、どちらにするか決めておく必要があります。)
忘れてはならないのが交際費には贈ることもあれば受けることもあるということ。
家計簿の収支に影響するわけではないですが、備忘録として誰からいくらお祝いを頂いたという記帳をしておくことで、お返しするときの判断材料になります。
例えば、自分の子どもへ入学金やお年玉を頂いたとします。将来、贈られた方のお子さんの入学金やお年玉を渡す立場になったときそのときの相場も関係しますが、包む金額の判断材料になります。
また品物を頂いた場合、金額はわかりませんよね。
私は備忘録として、頂いた方の名前と品物を記載し、金額欄はブランクにしています。
家計簿には反映しませんが、のちのち誰に何を頂いたか履歴が残るので便利です。逆の立場になったとき、きちんと記載しておけばお返しするのも忘れずにできます。ここは備忘録としても活用できています。
特別費
ここで特別費という項目名にしていますが、私は耐久品費として計上しています。
家具、家電、自動車などの金額が大きくなるものがこの項目です。
電化製品は大体7年~10年くらいで買い替え時期になります。
耐久品費として分けて計上しておくと、「この冷蔵庫、いつ購入したっけ?」というときにひとめで分かります。またいくらぐらいのものを購入したのか履歴を残しておくと、買い替えの際の判断材料になります。
自分流の家計簿を構築しよう
紹介した項目が必ず正しいとは言えません。
その家庭、家庭で考え方も違うし、やり方も違うからです。
ただ一つだけ言うとすれば、
家計簿をつける目的は、分析をすることで家計の問題点を見つけ、改善することです。
その目的が達成できれば、あとは自分のやりやすいように、継続できやすいようにしていくのが一番です。
要は長続きする家計簿をつけることが大切です。
自分なりの家計簿ができたら、家計簿をつけることが生活の一部になるようにしていきましょう。